回答編

トランスペアレントプロキシは透過型プロキシサーバのことね。ユーザのブラウザ設定がなくともプロキシを使わせる技術。

え? ブラウザ設定不要? どうやってプロキシ使わせるんですか、それ。

通信経路上でhttp/httpsリクエストを検出して、強制的にプロキシで横取りするのよ。で相手サーバとプロキシが通信した内容をクライアントに返してやる。ユーザーから見るとあたかも直接サーバと通信しているように見えるけど、実は間にプロキシが噛んでいるわけね。

はぁ……それ、なんのメリットがあるんですか? いや、面倒な設定省略できるから手間は減るでしょうけど、代わりに直接通信は一切できなくなるんですよね。

まさにそこよ。プロバイダってインターネット向けの通信料は従量課金だから、なるべくユーザの対外トラフィックを節約したいのよね。なので網内にキャッシュ(*2)機能付プロキシを置いて通信を完結させようとする。外に出るトラフィックを減らそうとする。でもユーザーって基本面倒くさがりでしょ。

あ、なるほど。誰もプロキシの使用設定をしないからトラフィックが減らない。だから通信費がかさむ一方だと。

そう、その点透過型プロキシの場合は強制的に通信をフックする(つかまえる)から取りこぼしがない。キャッシュ可能なトラフィックは全て節約できるわけ。

ははぁ、色々考えるものですね。

あとは企業のインターネットゲートウェイとかね。セキュリティのためにプロキシでコンテンツフィルタとかしたい場合、ユーザーの良心にブラウザ設定を任せてられないでしょ? だから透過型プロキシを入れて全社員の通信を制御する。

どっちにしろユーザーの利便性はあんまり関係ないですね。サービス提供者側の都合っぽいです。

まさしくね。まぁ一般ユーザーのプロキシ利用も昔はアクセス改善目的、今は匿名性確保のためって感じで移り変わってるし。同じテクノロジーも環境によって活用法が変わっていくわけよ。

なんというか……技術に歴史ありって感じですね。今僕らの使ってるウェブやメールも、いずれは違う使われ方をしていくんでしょうか。

どうかしらね。ひょっとしたらインターネット自体、別物になってるかもしれないし。

インターネットMK2ですか。あはは、そんな中二的・安直なネーミングさすがに誰もしませんよね。子供じゃあるまいし。インターネット2! ださっ、あははは。

いや……インターネット2(*3)は本当にあるけど。

え?

あるわよ?

………。

……“安直”(ぼそっ)

ごめんなさーい!
(*2) 一度アクセスしたウェブサイトのコンテンツを保存して、二度目以降はそのデータをクライアントに返す機能。
(*3) アメリカの技術コンソーシアム、またはそのプロジェクトで使われている高帯域ネットワークのこと。次世代インフラを使った実験や開発を実施中。研究の一部は既にIPv6など現行インターネットへフィードバックされている。
【解説】
トランスペアレントプロキシ:
透過型プロキシサーバのこと。クライアントのブラウザ設定がなくとも強制的に通信をプロキシ経由にできる。主にプロバイダの帯域節約、企業のセキュリティ確保目的で導入される。

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