ハイエンドヘッドフォンもドライブできる、余裕のヘッドフォンアンプ部
今度は、高級ヘッドホンとの組み合わせを試してみよう。高級スピーカーとの組み合わせは確かに素晴らしいサウンドを聴かせてくれたが、深夜などに大きな音を出すのは気が引けるという人も多いだろう。ヘッドホンなら周囲に迷惑をかけずに、存分に好きな音楽を楽しむことができる。
Sound Blaster ZxRは、メインカード上にヘッドホン専用の6.3mm標準ステレオ端子が用意されているので、標準ステレオ端子が主流の高級ヘッドホンもそのまま接続できる。また、付属のACMを利用すれば、ACMのヘッドホン用標準ステレオ端子にヘッドホンを接続でき、ヘッドホンボリュームも搭載されているので、手元で簡単にボリュームを調整できるので非常に便利だ。
また最大600Ωのヘッドホンに対応していることも特筆できる。一般的なヘッドホンのインピーダンスは、16~70Ω程度が多いが、スタジオ機材との接続を想定した、海外製の高級ヘッドホンでは300Ωを超えるような製品もある。インピーダンスが高くなると、同じワット数ではその分だけ供給できるアンペア数が減ってしまう。そのため十分余裕のある電力供給ができないヘッドフォンアンプでは小さい音量でしか聴けなくなってしまうが、600Ωまでの高インピーダンスに対応したSound Blaster ZxRなら、そうした心配はない。ここでは、ゼンハイザーの高級ヘッドホン「HD 650」を用意して試聴を行ったが、HD 650もインピーダンスは300Ωとかなり高めだ。周波数特性は10~39,500Hzと広く、音圧レベルも103dBと高い。
先ほどと同じように、foorbar2000を利用して、ハイレゾ音源を聴いてみたが、こちらはこちらでまた素晴らしいサウンドであった。ELACのスピーカーで聴いたときよりも、低音がしっかり出ている感じで、ベースやドラムの音がより浮かびあがってくる印象だ。これは高いインピーダンスのヘッドフォンをつないだ場合でも十分余裕あるドライブ能力を確保しているためだろう。もちろん、コントロールパネルのグラフィックイコライザー機能により、好みの音に調整が可能だが、フラットな設定でもバランスが取れていると感じた。ACMのボリュームで音量を調整してみたが、音量を上げても、しっかりとヘッドホンをドライブできており、音質が変わってしまうようなことはなかった。大音量でハードロックなどを楽しんでも、周囲に迷惑をかけない高級ヘッドホンとSound Blaster ZxRは、日本の住宅環境にぴったりの組み合わせといえるだろう。