11月26日、楽天と子会社のKoboが記者向けに新製品&新サービスの発表会を開催。電子書籍担当役員の舟木徹氏が、Koboの今後の展開および新サービスの内容を発表した。
まず、現時点でのKoboの状況を説明。同社によれば、Koboの蔵書数は今年に入ってから6000冊/月ペースで増加しており、11月末時点で18万冊を突破したとのこと。年内に「ベストセラー作品80%」の蔵書数を目指しながら、今後も拡大していくとした。次に、ユーザー数について触れた。Koboのユーザー数は2012年の12月末と比べて70%程度増加したという。今後は同社の主事業である楽天市場の会員へのPRも積極的に実施していく予定だとした。
2014年のKoboは「マルチプラットフォーム」と「ハイブリッド書店」!
Koboが2014年の展開の主軸に置いているのは「マルチプラットフォーム」と「ハイブリッド書店」だという。
マルチプラットフォームは、「Kobo、iOS、Android、PCのどれでも電子書籍を楽しめる状況」を意味する。現在、Koboアプリの提供はiOS/Androidに限られているが、近日中にPC向けのビューアーも提供予定だという。これに対し、記者陣からは「自社の端末で電子書籍を利用するユーザーが減少する可能性は?」という質問があがっていた。舟木氏は「ユーザーがどのプラットフォームに集中するかということは、それほど考えていない。どれでも使えるようにするというのが大きな目標で、どれで使うかはユーザーが決めること」と回答。サービス全体の拡大を再重要項目に設定しているようだ。また、スマートフォン/タブレット向けアプリの使い勝手がユーザー数に大きく関与することにも言及。「Koboアプリは他社のアプリより高く評価されていると考えているが、今後も地道な改善を続けていきたい」と述べた。
ハイブリッド書店は、リアル書店とKoboとの紐付けを意味する。具体的には、書店で購入した情報を楽天ID経由でKoboのサイトから閲覧できたり、リアル書店での買い物に対して電子書籍購入に使えるポイントを付与するといったサービスが当てはまる。舟木氏によれば、現時点で提携している書店は約100店舗。今後は提携書店をさらに拡大し、店頭でのPRにもより注力していきたいとのこと。
Kindleが圧倒的で、Koboは厳しい、しかし
また、Koboの立ち位置についてもコメント。「現在、Kindleが圧倒的に優位。Koboは今のところ国内の他社の電子書籍サービスと同等、第2軍的な立場だと認識している。そしてこの状況を変えるのが難しいというのも事実。個人的には、Koboは厳しい状況にあると考えている」と述べた上で、「それでもユーザーの拡大、サービス内容のさらなる充実を目標に頑張っていきたい。4〜5年を目処に黒字化ができたらいいなと考えている」と締めくくった。