いま一番熱いカテゴリーはマイクロEV
一昔前までは多くのベンチャー企業が参入してプロトタイプを氾濫させた、軽自動車よりも小さいマイクロEVであるが、目立てばいいというベンチャー系が淘汰され、マジメに考え抜かれたものだけが生き残ったという感がある。
国土交通省が策定を急ぐ超小型モビリティー、マイクロモビリティーの構想を受け、さまざまな企業がマイクロEVを出展。そこにはマイクロEVを製作するだけではなく、スマートモビリティーシティーという街づくりの新たな構想を視野に入れた実証実験もセットで展開されている。
これらの2車種は愛知県豊田市で行なわれているスマートモビリティー実証実験「Ha:mo」で、2014年1月中ごろから実際に導入され、会員になれば乗車することが可能とのこと。
Ha:moの詳しい内容はこちらを参照して欲しい。
ヤマハはマクラーレンのF1デザイナーであったゴードン・マーレー氏の基礎設計を採用したマイクロEVを発表。他社がタンデム2人乗りであるところを横2人乗りとし、乗用車に近い運転感覚を持たせている。実際のところ、このまま発売されるかどうかは未定だが、スタイリッシュなデザインと軽量なフレーム構造はそのままで発売してほしいところだ。
マサチューセッツ工科大学が開発したHirikoというEVをベースにモーターやバッテリーなどの基幹部品を国産化し、国交省の超小型モビリティー基準に合わせて作り直すというもの。ボディーデザインは「機動戦士ガンダム」のモビルスーツデザインなどで知られる、大河原邦男氏。新潟県や県内の有力企業がバックアップをし、2014年5月ごろに試作車を完成、11月ごろから実証実験に入るという。
これまで紹介してきたマイクロEVはすべて2人乗りであるが、1人乗りのマイクロEVはすでに15年も前から市販されており、コンビニやスーパーの個別配達業務などにも活用されている。2人乗りになるだけで利便性は飛躍的に向上するが、現在の車両運送法では2人乗りマイクロEVの規定が無く、軽自動車と同じ扱いになってしまうために、新たな基準策定のための実証実験対象として、地域を限定して運用されている。
日産が前回のモーターショーでこの分野に参入し、横浜などで実証実験を開始してから2年を経た今回は、各社とも開発を一気に加速させた印象だ。
いまや低公害、低燃費、脱化石燃料といった環境問題だけではなく、IT技術、通信技術を取り入れ公共交通機関と連携させることにより渋滞緩和、駐車問題など生活に大きく関わる部分にまで踏み込んで開発されていくECOカーとEV。その一端が東京モーターショー2013では垣間見ることができるのだ。