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2020年の東京オリンピックを見据えて成長する公衆無線LAN

苦節7年!アルバとともに春を迎えた無線LAN専業のNTTBP

2013年11月18日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2020年のオリンピックまでにWi-Fiスポットを数多く敷設

 一方、いろいろなところで公衆無線LANを展開するにあたって問題になってきたのが、IDがばらばらという点だ。現状はセブンスポットで登録したIDは、同じ基地局を共用していても福岡市で利用することができない。こうした課題を解決すべく、11月からスタートしたのが「Japan Connected-Free Wi-Fi」という取り組みだ。これはJRや東京メトロなどの鉄道、成田や羽田などの空港、三菱地所や森ビルなどのデベロッパー、福岡市や那覇市などの自治体など提携し、1つのIDでフリーWi-Fiが使えるというものだ。

Japan Connected-Free Wi-Fiの取り組み

 また、トラフィック監視をビジネスに結びつけていくのも課題だ。たとえば、土日のトラフィックを見ると、鉄道は下がり、コンビニが上がるという傾向があるという。また、利用しているスマートフォンのOSやブラウザなども把握できる。小林氏は、「いろいろなデータがとれるようになっているので、どういう人がどこにどれだけ行ったか、どの駅に乗って、どこで降りる、などの導線がわかれば、ビッグデータで活用できる。これらをいかにマネタイズをしていくかが、われわれにとって重要な課題となっている」と述べ、ビジネスモデルを模索していくと抱負を語った。

トラブルから逃げないで対応してもらっている

 今後に関しては、まず2020年の東京オリンピックまでに、Wi-Fiの基地局を一気に増やしていく計画になっている。「40近くあるオリンピックの施設にWi-Fiスポットをどんどん増やしている」とのことで、順調にビジネスが推移するという見込みを示した。

 また、長らくワイヤレスに携わってきた小林氏は、「今後、端末はどんどんワイヤレス化してくので、周波数がいくらあっても足りない。個人的には方式はLTEとWi-Fiに収斂されると見ているので、11acやマルチストリーミングなどの技術をいち早く開発しなければならない」と技術革新の重要性を解いた。

 講演の最後、小林氏は3年になるアルバとの関係について言及。小林氏は、「最近もSIM認証を使ったローミングの仕組みを、あるキャリアのために3ヶ月で作ってもらった。いつもNTTBPの無茶な要求に応えてもらって、感謝している」と語る。そして、「日本のアルバの方々は、いつも真摯で、トラブルから逃げずに対応してもらっているので、心から感謝している。今後もアルバといっしょにビジネスをやっていきたいと思っている」と謝辞を述べ、講演を締めくくった。

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