米フェイスブックが発表した2013年第3四半期(7~9月期)決算によると、売上高は20億1600万ドルで前年同期比60%増を記録。会計原則(GAAP)ベースの純利益は4億2500万ドル(1株利益は0.17ドル)となった。第2四半期(4~6月期)も売上高は前年同期比53%増の18億1000万ドル、純利益は3.3億ドルだったため、連続して好業績をキープした。
しかし、同社の業績を判断する材料は明るいものばかりではない。かねてから若年層のフェイスブック離れが話題に挙がるなか、海外メディアの報道によると、10代のユーザーが減少傾向にあることを同社が初めて認めたという。
日本に限ってみると、フェイスブックが若年層に弱いという傾向はデータに表れている。ブランドコンサルティング会社のリスキーブランドが毎年実施している「SNSの活用状況」に関する調査によると、5月時点でSNSの活用率を年齢層別にみた場合、15~24歳で活用率トップはLINEで28.6%、2位はツイッターで24%、フェイスブックは3位で活用率がかろうじて15%を超えた結果となった。
LINEとツイッターは、年齢が上がると活用率は下がり、これを折れ線グラフに示すと右肩下がりのラインを描く。しかし、フェイスブックは異なり、いったん右肩に上がったあと、ほかよりも緩やかな右肩下がりとなる。たとえば25~34歳は、フェイスブックがツイッターよりも上回り、45~54歳ではフェイスブックがLINEと肩を並べる。55~64歳にはフェイスブックがトップのLINEを逆転してしまう。
LINEは若者向け、フェイスブックは大人向けという見方をすれば、年齢を重ねるにつれて利用するSNSがLINEからフェイスブックに移行すると考えられる。しかし、若者が大人になってもLINEを活用し続ければ、高齢になっても活用率でフェイスブックはLINEを下回ったままだ。となると、フェイスブックの将来は危うい。フェイスブックに求められているのは、若いうちから活用してもらえるようにすることと、年齢を重ねたときに他のSNSからのりかえてもらうことだと言える。
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