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FUJITSU Big Data Initiativeの第2弾でビッグデータを加速

富士通、すぐ使えるビッグデータのオファリングを10種類策定

2013年10月29日 07時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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10月28日、富士通はユーザーのビッグデータ活用を最適化する10種類のオファリング(課題解決メニュー)の提供を開始する。業務プロセス改革やマーケティング高度化などの分野ですぐに使える提案資材や実装モデルを整備した。

過去に支援した事例からニーズの高いテーマを抽出

 富士通は今年の6月、ビッグデータに関わる製品・サービス群を体系化し、ユーザー、協業パートナー、ベンチャー企業への支援体制まで含めた「FUJITSU Big Data Initiative」として発表している。これにより、データから新たな価値を創出し、ビジネスと社会のイノベーションを支えていくのが狙いだ。今回の発表は、こうしたビッグデータへの取り組みの第2弾となるもので、同社がこれまで支援した約200件のモデル事例の中から、特にニーズの高いテーマを選択。経営者、現場部門、情報システム部門の課題解決に向け、全体説明や提案資材、実装モデルまでを組み合わせた「オファリング」として提供する。

FUJITSU Big Data Initiativeの商品とオファリング体系

 発表会の冒頭、挨拶に立った富士通 マーケティング部門 副部門長 執行役員常務 川妻庸男氏によると、6月のFUJITSU Big Data Initiative発表以降、約400件近い商談のほか、120件のワークショップの申し込み・問い合わせがあったという。特にマーケティング分野のデータ活用に関する問い合わせが多く、5月の電通との協業発表以降、マーケティングや企画部門からの問い合わせがさらに増加したとのこと。しかし、全体の半分は課題が明確になっておらず、「ビッグデータを活用したいのに、どう使ってよいかわからないお客様も多い」(川妻氏)と語る。

富士通 マーケティング部門 副部門長 執行役員常務 川妻庸男氏

 こうしたユーザーでもビッグデータを導入しやすくするため、今回は業務プロセス改革、サプライチェーン最適化、マーケティングの高度化、商品・サービス強化という4つの分野で10種類のオファリングが提供される。

 川妻氏に続いて登壇した富士通 統合商品 戦略本部 本部長の阪井洋之氏は全10種類のオファリングのうち、「故障予測による設備メンテナンス高度化」と「顧客接点情報の有機連携によるCXの実現」の2つを紹介した。

10種のオファリングテーマ

 前者の故障予測による設備メンテナンス高度化は設備の故障を予測し、最適なタイミングでメンテナンスを実施することで、メンテナンスコストの削減・設備稼働率の向上を実現するもの。作業の勘や経験に頼ったメンテナンスを効率化したり、プラント設備やライン停止を防止することで、生産性を向上するのが目的となる。ここでは画像や音響データ、センシングデータから設備の状態変化や異常を検知。障害時の特定パターンをベースにした故障予測技術を利用することで、設備の故障時期を正確に予測できるという。

特定パターンをベースにした障害予兆の検知技術

振動データの取得による故障予兆

 後者の顧客接点情報の有機連携によるCX(Customer eXperience)の実現は、ビッグデータでもっとも多いマーケティング用途のオファーリング。さまざまな接点から得られた顧客情報を活かし、顧客の購買や離反予兆を捉え、最適なタイミングで商品やサービスをプロモーションする。ここではマーケティング施策の立案のほか、散在している顧客データの連携、不足している顧客情報を外部データやセンシングデータで補強する取り組みが重要になる。

ユーザー属性の推定と行動分析

 このうち富士通がメインで手がけるのは、ユーザー属性の推定や行動分析など。「Facebookでプロフィールを公開しているのは、全体の7%程度」とのことで、非公開のユーザー属性を機械学習技術で推定したり、監視カメラの映像を用いて、リアル店舗内の人のアクティビティを可視化することが可能になるという。その他、既存の社内データやソーシャルメディアやネット調査、地域特性情報などを連携させる一方で、マーケティング施策などは提携先の電通などの施策を積極的に活用するという。

4~5ヶ月くらいの期間短縮が可能

 富士通では、800名規模の商談体制の中にオファリング別のプロフェッショナルチームを編成し、同社のビッグデータイニシアティブセンターと連携。活用提案を推進していくという。阪井氏は「パターン化しているので、4~5ヶ月くらいの期間短縮は図れると考えている。全体の8割くらいはこのオファリングベースで進めていく予定。今後、約1000件くらいのお客様には展開していきたい」と阪井氏は語る。

富士通 統合商品 戦略本部 本部長の阪井洋之氏

 また、人材の教育も積極的に進める予定。データサイエンティストのようなマルチスキルな人材を短期で育成するのは難しいため、ビジネス知見、分析力、ITスキルなどを持つ人材でチームを構成し、構成メンバーのスキルアップを図っていくという。

 さらにビッグデータを活用した新しいビジネスを開発したいベンチャー企業の支援プログラムも継続する。川妻氏は「これからはモノからデータが上がってくることになるが、富士通はトラクターや重機を持っている訳ではない。そのため、協業を徹底してやっていかなければならない」と積極的な姿勢を見せる。

 8月に募集した第一次の募集には14社が応募し、そのうち6社の協業が現在検討されているところだ。実際、10月にはレスクと協業し、電動バイク用のモバイルバッテリの位置や寿命、充電状況を管理する仕組みを構築し、2015年にまで配達業者に展開する予定となっている。

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