物語を作るためだけじゃなく、鑑賞や批評にも生かせる
この理論を詳しく紹介しているのは勿論のこと、更にさまざまな実践的創作理論を組みあわせ、ハリウッドの映画制作の現場で虎の巻のように活用されている本があります。それが、先頃翻訳され、発売されたばかりの書籍『物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術』です。
『物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術』／発行：アスキー・メディアワークス／発売：KADOKAWAクリストファー・ボグラー＆デイビッド・マッケナ 著、 府川由美恵 訳／定価：2,100円 (本体2,000円)／形態：四六 (400ページ)／ISBN：978-4-04-891395-9／発売中
これを読むと、物語創作に役立つのはもちろん、プレゼンテーションを印象的にしたり、エンターテイメント系の映画や小説の良い点、ダメな点を鑑賞・批評したりしやすくなります。この本を読めば、「この映画は、ここにこういう要素を入れたら、もっと印象が強くなったね」等と批判したり、「この小説は、ここをこういう展開にしたら、もっと良くなったのに」「この映画（小説）の人物造形は、こうしたら、もっと魅力的に見えたはずだ」等といったことを言えたりするようになります。
そういう意味では、創作に悩むプロ作家／プロ脚本家の方にはもちろん、一般の映画ファン、エンタメ小説ファンの皆様にも、お薦めの一冊です。
本書は、ディズニーアニメ「美女と野獣」「ライオン・キング」のストーリー開発に携わったハリウッドの一流クリエイター「ボグラー」と、その盟友にしてコロンビア大学などで脚本を教える「マッケナ」が伝授する、プロ＆アマチュアの物語創作者の創作能力や映画・小説の鑑賞力を飛躍的に高める名著の初邦訳作品です。
神話学者ジョーゼフ・キャンベルが提唱した〈ヒーローズ・ジャーニー理論〉をもとに、プロップのおとぎ話理論やボードビルの手法等々を組み合わせた、非常に読みやすく、シンプルで、実践的な内容となっています。
本書の理論がいかに優れて実践的であるかは、多くの一流クリエイターたちが絶賛の声を寄せていることからも明らか！ 以下にその一部を抜粋します。
「たったいま『物語の法則』を読み終わったばかりだが（だからこの宣伝文を書いているんだが）、早くもこの本にはだいぶ助けられた。ちょうどリライトの手法が欲しかったんだが、この本はその突破口を見つける手助けになったんだ。こいつは社交辞令じゃないぜ」
―― スコット・シルヴァー（『8マイル』の脚本家、『ザ・ファイター』でアカデミー脚本賞ノミネート）
「台本のページ上で見ただけではわからないものだが、ストーリーの構造は、その九割までが映画脚本執筆時の駆け引きによって生まれる。優れた映画は優れた構造を持っている――それがすべてだ。ミスター・マッケナほどそのことをよく知り、手際よく伝えている人物はいないだろう。私が現在も現役の脚本家を続けられている大きな要因のひとつは、彼の洞察力にほかならない」
―― マーク・ファーガス（『トゥモロー・ワールド』『アイアンマン』の共同脚本家）
「誤解を恐れずに言うと、こんな本が出るなんておかしいんだよ。なぜかって？ 映画会社のストーリー開発部がこんな良質な小論を外部に出すはずがないからだ。本書はそのぐらい、ストーリー、テーマ、キャラクターについてのすばらしいガイドブックであり、すべてのライターやストーリー開発担当者たちが、机に一冊置いておくべきものだ」
―― チャド・ガービッチ（有名テレビ番組プロデューサー）
巻末には、日本の“物語論”の第一人者・大塚英志氏による詳細な解説も掲載。「村上春樹氏も、中上健次氏も、この手法を使って小説を書いている」といった興味深い内容を含む、本書を理解し使いこなすための助けともなる長編解説となっています。
多くのプロクリエイターたちが用いてきた本書掲載の理論を会得すれば、一流の物語創作者へ近づくための大きな武器になります。 また、前述のように、映画／小説の鑑賞・批評にも大いに役立ちます。ストーリー分析の具体例として多くの映画や書籍、戯曲の内容が例示されていますので、読むだけでも面白い一冊です。
エンターテイメント作品を愛するすべての人にお薦めの究極の物語創作術、ぜひご一読ください！
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物語の法則 強い物語とキャラを作れるハリウッド式創作術クリストファー・ボグラー、デイビッド・マッケナ(著)アスキー・メディアワークス
