USB HDDよりも速い!? 100MB/s近い転送速度の「超高速モデル」
最近はNASに保存するデータサイズが大きくなる傾向にある。地デジの録画番組はもちろんだが、デジカメも1500万画素以上の撮像素子を搭載する製品があたりまえとなり、スマートフォンのカメラ機能にしても最新機種は1600万画素超の撮像素子を搭載するなど、高画質化が進んでいる。
デジカメやスマホカメラの解像度は今後どんどん上がっていくだろうし、テレビにしても来年夏からフルHDの4倍の解像度を持つ4K放送が開始される見込み。つまり、データのサイズの肥大化は今後どんどん進んでいくと思われる。
そんな状況に追いつくため、フラッグシップのNAS製品には高速なデータ転送能力が求められるようになっている。そこで最近登場してきたのが「超高速モデル」「高速モデル」と銘打たれているNAS製品だ。
バッファロー「LS410D」シリーズ
バッファローの「LS410Dシリーズ」は、転送速度100MB/sをうたう「超高速」モデル。後述するDTCP-IPへの対応やiTunesサーバー機能を搭載するなどマルチメディア機能も強化されている。さらに、Macのバックアップ機能である「TimeMachine」にも対応する。
容量のラインナップは1TB(実売価格2万4000円前後)、2TB(同2万7000円前後)、3TB(同3万6000円前後)、4TB(受注生産、同4万4000円前後)となっている。
アイ・オー・データ機器「HDL-AS」シリーズ
アイ・オー・データ機器の「HDL-ASシリーズ」も転送速度90MB/sの「超高速」をうたうNAS。後述する「DTCP-IP」に対応しているのでLAN内でデジタルコンテンツを共有する拠点として活用できる。また、TimeMachineにも対応している。
2TBモデル(実売価格2万4000円前後)と3TBモデル(同3万3000円前後)が用意される。
高速転送の秘訣はCPU
まず、快適なデータ転送速度の基本中の基本として、有線LAN接続がギガビットイーサネット対応(1000BASE-T)となっているのは高速モデルに限らず、いわば最近のNASの常識である。
その上で高速なデータ転送処理を可能にしているのは、NASの動作をコントロールしているCPUに最新、高性能のものを採用しているから。NASは単機能サーバなので、CPUが高性能であればサーバの処理に余裕ができ、データ処理が高速になるのは必然というわけだ。
NASによっては「USB 2.0接続の外付けHDDよりもデータ転送速度が速い」ことをうたう製品も少なくない(そのあたりの速度チェックは次回に検証する)。
また、一部製品は複数台のHDDを内蔵し、RAID 0を構築することで高速化を実現しているものもある(複数HDD内蔵NASに関しては後述する)。
冒頭で述べた通り、今後のデータの肥大化を考えるなら、もしくは現在すでにNASのパフォーマンスに不満を感じているなら高速NASの導入をおすすめしたい。
なお、高速化モデルはフラッグシップモデルということもあり、高速化機能以外にも後述するようなマルチメディア対応の機能などさまざまな機能を搭載することが多い。いろいろな用途で使用できる多機能NASという側面もあるのだ。
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