Blackberryとフィーチャーフォンが大人気という、不思議の国インドネシア。右を見ても左を見てもBlackberryユーザーが多いが、サムスンなどのAndroidスマートフォンが猛追し、またフィーチャーフォンも人気で、著名メーカーのほか謎ブランドの製品がケータイマーケットでは氾濫している。
首都ジャカルタは、東京メトロやJRや東急の車両を見るだけでも楽しいが(前回の記事を参照)、数あるケータイマーケットを見るのも楽しい。
そんなケータイマーケットで見つけた、インドネシアの環境下だからこそ発売されたといってもいい変わりモノケータイ「mito 900」という機種を紹介しよう。
限りなくスマホっぽいけど実は……
mito 900は5インチのタッチパネルディスプレーを搭載。microSDカードもSIMカードもそれぞれ2枚挿しでき、ジェスチャーセンサーを内蔵する。
これを見る限り、今どきのありふれたスマホに見えるだろう。だが、mito 900のオリジナリティーは、ディスプレーの解像度がHDどころかWQVGA(240×400)であり、3Gに対応かと思えばデュアルスロットでGSMオンリーであり、Bluetoothを備えていながら無線LANを備えておらず、何よりOSはAndroidのたぐいではなく、フィーチャーフォンなのである。
説明書内のスペックの記載やウェブサイトでは一切書いていないが、CPUが中国の山寨機(ノンブランドケータイ)によく搭載されているMediaTek製であることから、OSもまた「MTK(Mediatek) OS」搭載と思われる。
見た目はスマートフォンでありながら、中身はフィーチャーフォンという、中国の市場でも見かけない不思議なケータイなのである(ただしパッケージによれば中国製だという)。
mito 900は本体とカバーが一体となっており、側面には電源ボタンとmicroUSBコネクターとマイクロフォンジャックがついている。驚くべきは、音量調整ボタンがないことだ。
中国製のお約束とも、新興国向けのケータイのお約束ともいえるが、騒音に負けじと音割れするほどの大音量が標準の音量。音量を小さくするには設定画面で調整するしかない。
また、バッテリーは1000mAhしかないので、1日ちょっとで電源が切れてしまう。カメラもいわゆる中国の山寨機にありがちな、撮影クオリティーがよくないカメラユニットの上に、WQVGA液晶パネルとあいまって、カメラの性能は総じて微妙。なかなかのじゃじゃ馬である。
電源を押すとmitoのロゴが出て、MTK OSらしいメニュー画面が表示される。中国の山寨機とは異なり、インドネシアでのニーズに沿ってFacebookやTwitterやGoogleのアイコンがある。
またインドネシアで定番のポータルサイト「Detik」や「Kompass」のアイコンもある。
YouTubeもインドネシアでは普通に使われているが、GSMオンリーでWi-Fiすらないので用意されていない。これら各サイトのアイコンをクリックすると、「One Browser」というウェブブラウザーが起動。
これは中国のチャットソフト「QQ」などで知られる中国の「騰訊」(Tencent)がリリースしたものだ。ちなみにOne BrowserはiOS向けにもAndroid向けにもリリースされている。各サイトのアイコンのほかに、Operaも用意されている。
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