米ジャイブ・ソフトウェアは9月3日、日本オフィスの開設と国内事業の本格展開開始を発表した。リコーITソリューションズ、TISと国内販売パートナー契約を結び、800社の導入実績を持つ企業ソーシャルプラットフォームを日本市場に展開していく。
ジャイブの企業向けクラウド型ソーシャルプラットフォーム「Jive」は、単一のソフトウェアで「ソーシャルコラボレーション/イントラネット」「ソーシャルカスタマーサービス」「ソーシャルマーケティング&セールス」の3領域をカバーしており、社内/社外(従業員、顧客、パートナー間)のコミュニケーションやコラボレーションを支援する。
従業員はPCのブラウザや、iOS/Androidのネイティブアプリを使ってJiveにアクセスすることが可能。一般的な企業SNSと同じように、質問や回答のコメント、共有資料などを投稿できるほか、特定の人物を“フォロー”したり、コンテンツ/ピープル/プレイス(グループ)という3つの大きな軸に沿って課題解決のための情報や人を探索したりすることができる。
標準アドインにより「Salesforce CRM」や「Microsoft Office」「Outlook」「SharePoint」などの主要業務アプリケーションと統合されるほか、「Jive API」を通じてその他の業務アプリケーションとの接続ができる。またカスタマーサービス基盤として、「Facebook」「Twitter」といったパブリックSNSとも連携させることが可能。
さらにJiveは、各ユーザーのアクティビティや所属部署/グループなどに応じて検索結果を最適化したり、そのユーザーに必要と思われる情報をレコメンドしたりするインテリジェントな機能も備える。
Jiveの利用価格は1ユーザー当たり月額12ドル。またオンプレミス型の導入も可能としている。TISでは同日から、またリコーITソリューションズ(RITS)では10月から、既存システムとの連携も含めたサービス提供を開始すると発表している。
普及の進む企業ソーシャルだが……
発表会に出席したジャイブのプレジデント兼ワールドワイド・フィールドオペレーション、ジェイ・ラーソン(Jay Larson)氏は、企業における情報共有やコラボレーションの手段を改善し、個々の従業員の生産性向上を図ることの重要性を訴えた。「人件費は企業コストの大きな部分を占めており、生産性向上は企業にとって重要な課題である」(同氏)。
そうした背景から、近年ではソーシャルツールに対する企業の期待も高まっているが、ラーソン氏はそれがまだ完全には成功していないことを指摘する。同氏が示したマッキンゼー・グローバル・インスティテュート(MGI)の調査結果によれば、70%の企業が何らかのソーシャルツールを利用しており、その90%はビジネス的メリットを感じている一方で、「顧客、パートナー、従業員のすべてをつなぐソーシャル技術から十分な価値を引き出している企業」はわずか3%にすぎない。ラーソン氏は、ここにまだ未開拓の可能性があると見ている。
ラーソン氏は、Jiveの導入を通じて、メール対応や情報検索、社内コラボレーションのために費やされる「まったく無駄な時間」を削減することにより、顧客のビジネスを変革できると強調した。「Jiveを導入した顧客への調査では、平均でメールを21%、会議を16%、情報検索時間を34%削減できており、従業員の生産性は平均で15%向上している」(同氏)。
競合製品/サービスとの違いについてラーソン氏は、多くの顧客事例を通じて得た「ビジネス価値を提供するためのノウハウ」、習得の容易なインタフェース、他のアプリケーションとの統合といったポイントを挙げた。「Jiveの使用用途は幅広いため、どのように顧客をサポートし、ビジネス価値を提供してきたかを紹介することが重要。ワークフローも含め、顧客のベストプラクティスをまとめたドキュメントを用意しており、これをTISやRITSと共有して展開していきたい」(同氏)。
日本市場におけるJiveの販売目標について、ラーソン氏は「非常に控えめに言って」今後3年で最低50社を獲得したいと語った。
