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「本当はBIG-IPを使いたいのに……」というユーザーに吉報

F5、138万円の戦略製品「BIG-IP 800」を価格重視の市場へ

2013年08月30日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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F5ネットワークスジャパンは2014年度の戦略発表会を開催。2年後にシェア50%という目標を掲げた成長戦略のほか、低価格なエントリモデル「BIG-IP 800」のほか、SDN/クラウド向けの機能を大幅に強化した最新OS「TMOS v11.4」を発表した。

2年後にシェア50%超えを目指す

 冒頭、登壇した代表取締役社長のアリイ・ヒロシ氏は、国内L4~L7スイッチの市場(2012年)において、F5が9年間連続シェアNo.1(IDC Japan)であることをアピール。他社と異なり、通信事業者、ITサービス、一般企業・官公庁・教育などの分野の売り上げ構成比もバランスがとれているのも大きな特徴だという。

F5ネットワークスジャパン 代表取締役社長 アリイ・ヒロシ氏

 2017年まで平均8.8%で成長する市場の中、F5は2年後に50%のシェア獲得を狙っていくという。これを実現するために、アリイ氏は、「ローエンドビジネスの拡大」、「多様な購買・利用形態の提案」、「最新ネットワーク/アプリケーション利用環境の提案」、「セキュリティ分野の強化」という4つの成長戦略を掲げる。特に最近同社が力を入れてきたセキュリティ分野は、「ファイアウォールの置き換えやBYODでのニーズがあり、売り上げが従来の2倍に拡大している」(アリイ氏)と述べ、まだまだ伸ばせるという自信を示した。

「価格が安ければ……」の声にストレートに応える

 今回投入されたBIG-IP 800は、「ローエンドビジネスの拡大」を目指すべく、日本市場のみを対象としたBIG-IPのエントリモデル。1Gbpsのレイヤー4スループット、17万5000レスポンス/秒のHTTP処理、500TPS(Transaction Per Second)という高い処理能力を実現しつつ、高度なトラフィック管理を実現するiRulesのような機能も搭載する。性能面以外、上位のBIG-IPとの差はほとんどない、魅力的なモデルといえる。

上位モデルの品質と機能を保ちつつ、低価格化を実現したBIG-IP 800

 最大の特徴は138万円という価格。従来のローエンドモデルであるBIG-IP 2000が300万円弱だったので、非常に戦略的なプライシングといえる。こうした戦略を推進する背景としては、価格重視のセグメントに積極的に参入する意図があるという。

 F5 ネットワークスジャパン マーケティング本部 シニアソリューションマーケティングマネージャ 帆士敏博氏は、「品質/信頼性/パフォーマンスを重視するミッションクリティカルのビジネスでは、F5が圧倒的なシェアを誇っている。だが、価格重視のセグメントはこれまで攻めてこなかった」と説明した。その上で、「価格の都合で他社製品を使っているが、本当はBIG-IPを使いたい」という顧客の声を紹介。機能や性能面を妥協せず、価格を大幅に下げたのがBIG-IP 800というわけだ。「BIG-IPが優れているという意見は明確で、今まで導入されなかったネックは価格面だけだった」(帆士氏)。

F5 ネットワークスジャパン マーケティング本部 シニアソリューションマーケティングマネージャ 帆士敏博氏

 他社のエントリモデルは150~200万円程度が多いため、138万円のBIG-IP 800は価格面でも低廉。また、ハードウェアの自社開発、運用の自動化、ログの管理、マルチテナント/仮想化への対応、スクリプトによる柔軟な設定、エンジニアのコミュニティなど、さまざまな面で優位性があるという。帆士氏は、サイトダウンを防ぐサーバーのメンテナンスという利用例を挙げ、他社製品ではセッションロスのリスクがあるが、BIG-IPの場合は最後のセッションが終了した後に、きちんとサーバーを切り離せるとアピール。「ユーザーのセッションを把握する能力が他社に比べて、はるかに優れている」(帆士氏)と語った。

 また、導入支援策として「かんたんセットアップガイド」を作成。パートナーとのセミナー開催、オンライントレーニングの充実、新規のリセラーの開拓などさまざまな施策を通じて、ユーザーとチャネルの拡大を図るという。

TMOS v11.4ではクラウドとSDNへの対応を強化

 今回はBIG-IPやVIPRIONのソフトウェアであるTMOSの最新バージョン「TMOS v11.4」についても説明された。

クラウドやSDNへの対応を強化したTMOS v11.4のハイライト

 新バージョンでは、特にクラウドやSDNに向けた仮想化や自動化機能が強化されており、VXLANのトンネルのエンドポイントとして機能するVXLANゲートウェイに対応。また、BIG-IPのコンフィグを一括管理し、TMOSのコントロールプレーンを自動化する「iCall」という自動化機能を提供する。これにより、新しいDHCPリクエストを受信したら、新しいサーバーをロードバランシングのプールに追加するなど、特定のトリガーで応じてトラフィックの扱いを変えることも可能になった。

 さらにアプリケーションの要件に応じて、自動的にスケールアウトやスケール分離などを可能にする「ScaleN」もサポート。VIPRIONでのみ利用されていた機能が、BIG-IPでも利用できるようになった。

 BIG-IPハードウェアも刷新した。BIG-IP 800より上位のローエンド、ミッドレンジ、ハイエンドのモデル、すべてで10GbEに対応したほか、製品購入後にL4/L7の処理能力を高めるオンデマンドライセンスを用意した。これはソフトウェアライセンスを購入することで、ハードウェアを入れ替えることなく、上位の強化モデルにアップグレードできるというもの。トラフィックの増加やインフラ拡張などにニーズに応じて、最小限の変更作業で上位のADCに移行できる。

 帆士氏は「他社でもこうした取り組みをやっているが、正直スループットを向上させるのは実態に即していない。われわれは実際に効果のあるレイヤ4スループットやHTTPの処理能力を向上させる」とアピールした。その他、SaaSまで含めたアプリケーションの高速化を実現する新モジュール「BIG-IP AAM」や5GbpsスループットのBIG-IP LTM仮想アプライアンスなどもあわせて発表された。

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