Software Defined Application Servicesを実現する新ビジョン
SDNとアプリケーションのギャップを埋める「F5 Synthesis」
2013年12月12日 06時00分更新
12月11日、F5ネットワークスジャパンは、Software Defined Application Serviceを実現する「Synthesis(シンセシス)アーキテクチャ」を発表した。SDN化するネットワークと、アプリケーションの運用に必要なL4/L7技術のギャップを埋めるべく、F5の技術を集大成したコンセプトとなる。
シェア50%越えを目指して放つ2本目の矢
発表会に登壇したF5ネットワークスジャパン 代表取締役社長のアリイ・ヒロシ氏は、9年連続シェアNo.1という実績やバランスのよい産業別の売り上げ構成比などの概況を紹介しつつ、50%という圧倒的なシェア獲得に向け、2つの施策を進めると説明した。1つ目は8月に発表された低価格なエントリモデルの「BIG-IP 800」、そしてもう1つが今回発表されたSDNに対応する新しいアーキテクチャの提案になるという。
現状、同社が課題として捉えているのは、SDN化が進むネットワーク、仮想化が進むアプリケーションとのギャップだ。L2/L3のレイヤーでSDNの取り組みが進む中、L4/L7において新たな取り組みが必要だというのがアリイ氏の主張だ。「しかし、多くのユーザーはセキュリティ、アベイラビリティ、モバイル対応などをポイントソリューションで展開しているが、われわれは新しい取り組みが必要だと考えている」(アリイ氏)。
このようにアプリケーションに対して最適なL4/L7サービスを提供する「Software Defined Application Service」を、SDN化されたネットワーク上に実現するのが、今回発表された「F5 Synthesisアーキテクチャ」になる。
新しいライセンス体系はソリューションカット
F5 Synthesisの詳細について解説したF5ネットワークスジャパン プロダクトマーケティングマネージャー 野崎馨一郎氏は、F5 Synthesis登場の背景として、アジャイル開発、DevOps、SDN、クラウドなどの登場で、ユーザーの現場で要求が大きく変化したという点が挙げた。「まさに激変しているという状態。逆にできることも増えている」と述べ、変化する環境に柔軟に対応するソリューションやパッケージが求められていると語る。
F5 Synthesisは、SDDCを実現する高いスループットと拡張性を備えたBIG-IPのサービスファブリック、BIG-IQによるアプリケーションに最適なサービスのオーケストレーション、ユーザーのアーキテクチャにあわせた新しいライセンス体系という3つの構成要素が存在する。
また、顧客のさまざまな課題に沿ったソリューションやユースケースをまとめた「リファレンス・アーキテクチャ」の提供を開始する。リファレンスアーキテクチャは、F5のテクノロジーを活用することで、特定のビジネス課題を解決するモノで、ホワイトペーパー、導入ガイド、ノウハウ集、ユースケースなどで構成される。L4/L7サービス導入の敷居を下げるべく、検証済みのユースケースとメリットを明確化し、導入しやすい仕組みを目指すという。
ライセンス体系もこのリファレンスアーキテクチャに対応しており、ライセンス面でも安価になるという。第1弾ではオンプレミス型のDDoS防御ソリューションが提供され、今後はクラウドフェデレーションやDevOpsといったものや、通信事業者をターゲットとしたセキュリティやLTEローミングなど11種類が用意される予定となっている。