タブレット、タブレットと書いているが、そもそも電子書籍を試してみようという名目で購入したのだった。楽しくて忘れていた。早速電子書籍を開いてみよう。
解像度がさほど高くないこともあって、正直なところ期待はしていなかったが、表示は思った以上に綺麗。タッチパネルの感度も良く、ページ送りも快適だ。「文字サイズ:2」「行間:中間」「余白:標準」にすると、おおむね市販の文庫本に似た感覚で読める。なお、本レビューではアンチグレアフィルムを貼っている。コントラストやシャープネスは下がるが、映り込みが大幅に軽減されるので読書メインならおすすめだ。
文字サイズ、行間・ページ上下の余白、ページの色、フォントは読書中でも簡単に変更可能だ。「眼が疲れていて文字が小さく見える」といった際にも文字サイズを大きめにすればいい。電子書籍ならではのよさをダイレクトに感じられる仕様は、さすがAmazon。
Kindleストアの充実度は中々のもので、最新作から古典、洋書からコミックまでを豊富に取り揃えている。月替わりでセールを実施しているほか、著作権の無効になった古典なら無料でダウンロードできる点も嬉しい。夏目漱石も、ポーも、芥川龍之介も、カフカも無料で読み放題だ!
インターネットには「Silk」というKindleオリジナルのブラウザーを介して接続する。これが中々に優秀で、読み込みが早く、シンプルで使いやすい。タブやお気に入りにも対応。全画面表示も可能で、軽くネットを見るには最適だ。
音楽も再生してみた。再生中の音楽は、ディスプレー上部から引き出せる通知センターにミニプレイヤーで表示される。音質はというと、決していいとは言えない。ある程度綺麗な音質を求めるならKindle Fire HDを購入した方がよさそうだ。簡易プレーヤーとして友人に聴かせたり、部屋で軽く流したりする使い方に向いているかもしれない。対応フォーマットはAAC、MP3、MIDI、OGG、WAV、MP4となっている。
値段なりの部分もあるが、1万2800円で気軽に買えるタブレットとしてKindle Fireはかなり完成度が高い。「電子書籍と軽いネット、メール用」「電子書籍と予定管理用」など、最小限の機能で割り切って使うタブレットとしては最適だろう。アプリがもう少し充実してくると、さらに使い道が広がりそうだ。電子書籍を楽しみながら、タブレットとしても積極体に利用していきたい。