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KDDI通信障害でわかったスマホ時代の現実

2013年06月14日 07時00分更新

文● 今村知子/アスキークラウド編集部

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6月10日、KDDIはLTEの通信障害が相次いだことで、障害対象者に一律700円の返金を発表した。対象者は80万人前後と膨大な数に上る。障害の陰には、スマホで業績を伸ばしてきた携帯事業者が抱える、残念な現実が存在する。

 KDDIは6月10日、LTE障害の件で記者会見し、300億円の追加設備投資を決定したと発表した。この障害は過負荷による設備の不具合などが原因とみられ、基地局制御装置を現在の19台から58台に増やすなどの対策を取るという。

 同日に行われた「世界ICTサミット2013」で日本IBMのイェッター社長は、「これからは大量のデータが飛び交う世界」と語り、クラウドとスマホがその主なツールとなることを指摘している。

 実際、ニールセンによるスマートフォン利用状況調査(2013年3月)によると、スマホの月間利用時間は男性で34時間、女性では47時間にも及ぶ。利用するサービスは「検索」が男女とも80%前後と定番だが、LINEや楽天市場もそれぞれ利用上位5位に食い込んでいる。

 LINEによる長時間の無料通話やメッセージのやり取り、楽天市場でのショッピングがスマホの主な利用シーンになっているとすると、扱うデータの量はこれまでのガラケーの比ではないはずだ。

テレビの視聴も会社の仕事もスマホで……の時代が来る?

 さらに、一般社団法人デジタルライフ推進協会が発表したテレビの視聴形態調査によると、外出先からネットワーク経由でスマホなどで視聴するリモートアクセスについて「少し興味がある」と「とても興味がある」を合わせると、約半数になるという結果が出ている(2013年5月下旬調査)。いずれは、テレビの視聴もスマホで……が当たり前になるのではないだろうか。

 プライベートだけではなくビジネスシーンでも、最近会社のパソコンをスマホやタブレットからでも操作できるシステムの販売が始まるなど、スマホやタブレットが使われ出してきている。ビジネスでの本格的な利用が始まると、もはや「携帯」ではなくパソコン並みのデータの処理もスマホが担うことになるかもしれない。

 こうなると、いずれは現在のデータ通信量では到底考えられない大量のデータが、日々回線を通ることになる。スマホの普及は、すなわち「データ通信量の増大」にほかならないのだ。

 KDDIの会見でも、田中社長は「障害対策が追いついていない」原因として、ガラケーに比べてデータ通信量が一気に増えるスマホの普及を挙げた。そのため、「スマートフォン/4G時代における」通信障害防止に向けた「容量設計思想・指針の確立」を対策として掲げている。

KDDI

KDDIが10日発表した「一連のLTE通信障害の原因と対策について」より

 しかし、スマホの普及をアピールし、販売に力を入れていた携帯事業者が、今の段階で「追いついていない」のでは、利用者も困ってしまうだろう。MNP流入増を維持し、業績好調なKDDIを支えているのは、人気のiPhoneをはじめとするスマホ利用者層なのだ。

 スマホ向けサービスが日々充実するなか、肝心のデータ回線がそれに追いついていないという事実は、ショッピングやビジネス、テレビもすべてスマホで……という夢はまだ夢にしか過ぎないのだ、という現実を知らせていると言えよう。

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