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グラフィックベンチ「3DMark」徹底解剖 第2回

3DMarkの「Ice Storm」でAndroidスマホの性能を比較

2013年05月14日 12時00分更新

文● 加藤 勝明

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主要デバイスでのスコアを比較

 今回は筆者はもとより各方面にお願いして以下のようなデバイスでテストを行なった。さっそくテスト結果を比較してみよう。

計測端末一覧
メーカー 製品名 プロセッサー
サムスン電子 GALAXY Nexus SC-04D OMAP4460 1.2GHz 2コア
サムスン電子 GALAXY Note SC-05D Snapdragon APQ8060 1.5GHz 2コア
サムスン電子 GALAXY S III Progre SCL21 Snapdragon MSM8960 1.5GHz 2コア
サムスン電子 GALAXY S III α Exynos4412 1.6GHz 4コア
LG Optimus LTE L-01D Snapdragon APQ8060 1.5GHz 2コア
Motorola Mobility RAZR M 201M Snapdragon MSM8960 1.5GHz 2コア
シャープ AQUOS PHONE Xx 203SH Snapdragon APQ8064 1.5GHz 4コア
HTC HTC J ISW13HT Snapdragon MSM8660A 1.5GHz 2コア
Mobile In Style eden TAB S5PC210 1.2GHz 2コア
ASUSTeK Nexus 7 Tegra 3 1.3GHz 4コア

総合スコアの比較。今年2月に出荷されたばかりの「APQ8064」を搭載した「AQUOS PHONE Xx 203SH」のスコアが圧倒的だ

 「Ice Storm」は、「Core i5-3570K」の内蔵GPUですら4万点以上が出せてしまう軽いテストだが、このスコアを見るかぎり、やはりタブレットやスマートフォンに搭載されるSoCのパワーはPCに比べかなり低いようだ。ここでもう少しスコアを掘り下げて見てみよう。

GPU性能をスコア化したもの。上位と下位の差が非常に大きいことがわかる

CPU性能をスコア化したもの。GPUと比べ上位と下位のスコア差が小さく、さらにGraphicsは低くてもこちらは高い製品が存在する

 ここで注目すべきは4コアCPUを搭載する「AQUOS PHONE Xx 203SH」と「GALAXY S III α」、そして「Nexus 7」の違いだ。Physics(CPU)はどれも4コアCPUだけに高スコアだが、Grapics(GPU)は搭載GPUのパワー差が露骨に出ている。総合スコア計算はGraphicsテスト全体とPhysicsテストのスコアを7:2で総合スコアに反映させるため、CPU性能が高くてもGPUが低いとスコアは低いままなのだ。

 さらに各テストのfpsに目を向けてみると、現在のモバイルデバイス向けGPUコアの特性も見えてくる。今回テストをした中で各テストのfpsが明らかになった個体と、第2回で評価したGeForce 7900GSの結果をまとめてみた。

Grphicsテスト1および2のfpsを比較したグラフ。Test1と2の差、および優劣の関係に注目。7900GSのTest2はオーバーフローしている(118fps)

 Test1が弱いGPUは、頂点情報の処理がネックと考えてよさそうだ。テストのたびにfpsの誤差がつくことを考えれば、ほとんどのデバイスは穴がないが、この結果を見る限りは「GALAXY S III α」「eden TAB」そして「GeForce 7900GS」は頂点処理に弱いGPUである(特に7900GSの頂点シェーダーの弱さは、ピクセルシェーダーに比べて絶望的だ)。

「3DMark」はマシンの体力を
正確に測定する重要なツール

 以上3回にわたって「3DMark」の使い方や、スコアの見かたを学んできた。今持っているマシンがどんなパフォーマンスを出せるかをしっかり把握しておけば、次の買い替えのプランも立てやすいし、外れのハードに遭遇する確率もぐっと減らすことができる。

 ベンチマークは単なるマニアのためのソフトではない。PCの体力を正確に測定するための重要なツールなのである。もちろん、これをきっかけにベンチマークとオーバークロックというディープな世界に踏み込むのもよい。その時は筆者も大歓迎させていただこう。

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