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KDDI、Eメール送受信障害をお詫び—原因に関する説明会開催

2013年04月27日 21時30分更新

文● 大河原克行

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 KDDIは、2013年4月16日〜19日にかけて、iPhoneおよびiPadにおいて、Eメールリアルタイム送受信の設定をしている一部利用者が、Eメールを利用できない状況が発生した障害に関して説明を行ない、KDDI 取締役執行役員専務 技術統括本部長の嶋谷吉治氏が「心よりお詫び申し上げる」と謝罪した(関連記事)。

KDDI 取締役執行役員専務 技術統括本部長の嶋谷吉治氏

 同社では、「作業手順書記載ミスを契機として、Eメールリアルタイム送受信システムの障害を発生させた上、復旧に長時間を要してしまい、お客様に多大なるご迷惑をおかけしたことを深くお詫びする。作業実施に際してのミスを撲滅し、対象設備のみならず、周辺設備まで含めたシステム全体の事前検証を徹底すると同時に、障害が発生した場合の復旧を迅速化し、お客様に安心して通信サービスをご利用いただげるよう全力で取り組んでいく」とした。

 今回の障害は、大きく3つにわけることができる。

障害の概要

 ひとつ目は、2013年4月16日午前0時35分〜午前1時41分までの1時間6分に渡って、Eメールリアルタイム受信の設定をしている利用者が、サービスを利用できなくなったというものだ。影響は最大200人であり、「影響は軽微」(KDDI 取締役執行役員専務 技術統括本部長の嶋谷吉治氏)という。

 2つ目は、2013年4月16日午前8時8分〜午後1時29分までの5時間21分に渡り、サービスが利用不可となった障害で、影響は最大288万人に達するという。

 そして、3つ目は、2013年4月16日午後1時29分〜4月19日午前2時54分までの61時間25分と、約2日半に渡って、サービスが利用しづらい状況や、連絡先やカレンダーなどの連絡先情報の表示ができないという障害で、最大127万人に影響したという。

連絡先情報が見えなくなった仕組み

 同社の説明によると、今回の障害は、今年夏に予定をしている新サービスを想定し、Eメールリアルタイム送受信システムのバージョンアップを実施。それに伴う新システムへの移行作業時に、問題が発生したのが原因だとする。

バージョンアップ作業手順(正常シナリオ)

ひとつ目の障害

 ひとつ目の障害発生は、ユーザー認証サーバーにおいて、ユーザー情報の不一致が発生したためだという。

 本来、ユーザー認証サーバーのマスターとレプリカ間で行なうユーザー情報の確認が、手順書ミスを元にしたコマンドの誤りにより、現行レプリカを、新ユーザー認証サーバーのマスターと認識し、誤って接続。この結果、ユーザー認証が不一致となり、エラーが発生したのが原因。同社では、新ユーザー認証サーバーへの切り替えによって、エラーを解消したという。

ユーザー認証サーバーにおいて、ユーザー情報の不一致が発生

ふたつ目の障害

 2つ目の障害は、ひとつ目の障害が解消したことから、移行作業を実行し、新プロキシサーバーへの切り替えを順次実行していた途中で、予期せぬタイムアウトエラーが発生。その時点ではサービスへの影響はなかったが、想定外のタイムアウトエラーだったため、現行設備への切り戻しを決定し、作業を開始。この作業中に、新たなユーザー認証サーバーのレプリカの片系が、ディスクコントローラーのハードウェア障害によりダウン。さらに、残っていた片系も過負荷となりダウンしたことで、Eメールの送受信が不可能となった。そこで、現行ユーザー認証サーバーへの接続変更と、接続変更するためにメールBOXサーバーの再起動を行ない、完了したという。

新ユーザー認証サーバーの両系がダウン

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