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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢第72回

Samsungがエントリー向け端末を発表 次は「Tizen」?

2013年02月20日 17時00分更新

文● 末岡洋子

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 各社から発表された2012年通期、同年第4四半期の市場調査で名実ともに世界最大の携帯電話メーカーの座を固めたSamsung。来週の「Mobile World Congress 2013」を前に同社のプラットフォーム戦略をチェックしてみたい。

本家Androidよりも存在感あり?
大成功したGALAXYブランド

 Samsungは携帯電話全体、スマートフォンともにシェアトップに輝いた。Gartnerの調査をみると、携帯電話全体では第4四半期のシェアは22.7%、2012年にSamsungが売り上げた3億8460万台の携帯電話のうち、過半数にあたる53.8%がスマートフォンだった。スマホの比率は2011年の28%から大きく増やしている。そのほとんどはAndroidベースのGALAXYシリーズと見てよいだろう。

 Androidサイドから見るとどういうことなのか。AndroidとiOS(Apple)の合計シェアは9割を超えているとIDCは報告しているが、そのAndroidの4割以上がSamsungのGALAXYだ。AndroidはLG/HTC/Huawei Technologiesと多数のベンダーが利用するOSだが、Samsung以外のシェアは一桁台。もはやGALAXYシリーズが独占しているといっても過言ではなさそうだ。

 技術通ではないユーザーにとっては、現実に“Android”よりも“GALAXY”の存在感の方が大きいのかもしれない。イギリス在住のアナリスト、Benedict Evans氏がGoogle検索のトレンドがわかるGoogle Trendsのデータをもとに指摘しているのだが、2012年11月に「GALAXY」は初めて「Android」を上回った。

 両キーワードは12月はほぼ同じで、1月はAndroidがわずかに上回った(なおこのデータでは「iphone」「galaxy」「android」「samsung」「samsung galaxy」の5つを比較しているが、安定したトップは「iphone」である)。この状況をMotorola Mobilityを抱える、Googleがどう思っているのかはわからない。だが、SamsungがGALAXYブランド戦略に成功したことの1つの証拠ではある。

Nokiaに追撃打を与える? 途上国向けの「REX」

 ハイエンドをAndroid/GALAXYでおさえたSamsungだが、このほかのOSとしてWindows Phone/ATIV、Bada/WAVEもある。そしてSamsungは先週ここに「REX」シリーズを加えた。REXは製品ラインで、技術的にはJavaをベースのOSに、GALAXYシリーズでもおなじみのUIである「TouchWiz」を重ね、ウェブアプリで各種機能を提供するものだ。狙うのは低価格ライン。SamsungはインドでREXを発表。REXブランドを冠した機種を4種発表した。価格や提供市場は明らかにしていないが、途上国市場などで提供すると予想される。

Samsungのエントリー新シリーズ「REX」。GALAXYシリーズをモチーフにした端末だ

 REXが狙う途上国市場は、端末メーカーが次世代戦略をどうするかを考えている市場だ。途上国市場のユーザーはスマートフォンには手が届かないが、スマートフォンのトレンドは受けており、ニーズは変わっている。Mozillaの「Firefox OS」などは最初からこの市場を明確に狙ったOSだが、Samsungのような既存メーカーならば、低価格のAndroid端末を用意するのも一案だろう(Androidそのものは無料なのだから)。だがSamsungは新たにREXを用意することにした。

 Nokiaは全盛期の時代から、途上国市場が重要な市場で、現在でも同社が台数ベースで2位の座を保っているのはこの市場の影響が大きい。Nokiaはここで2012年より「Asha」という自社技術ベース(Series 40)の製品ラインを展開、タッチやQWERTYキーボードなどこれまでのエントリー向けとは違うUIやフォームファクタを持たせて新しさを感じさせると同時に、デュアルSIMなど、そういった市場で欠かせないニーズを満たす機能を用意している(ちなみにNokiaはAshaを”スマートフォン”と称している)。

 たとえば「Asha 200」はQWERTYキーボードを搭載し、デュアルSIM、2.4型のカラーLCD画面、2メガピクセルカメラなどを搭載したEDGE(2G)端末で、価格は約60ユーロ。Nokiaは2011年秋の「Nokia World」でAshaブランドを発表。すでに15機種が登場しており、2012年下期だけで1580万台を出荷した。なかなかWindows Phone/Lumiaが軌道に乗らない同社を、下から支えている重要なブランドとなっている。

こちらはNokiaの「Asha200」。以前からNokiaのロー/ミドルを支えてきたSeries 40ベースだが、Nokiaはスマートフォンという扱いをしている

 REXはAshaと正面から衝突すると思われ、ハイエンド端末で持つブランド力とともにNokiaに決定打を与えるのかどうかが注目される。

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