150ドル以下の端末がスマホ市場を変える!?
AmazonとMicrosoftからスマホ登場?
大きな流れを見たところで、2013年の注目ポイントをいくつか挙げたい。まずはスマートフォンの低価格化と途上国市場への拡大だ。2013年第1四半期、Mozillaの「Firefox OS」がブラジルなど途上国市場で登場する予定だが、安価なスマートフォンになるとみられている。Firefox OSはHTML5ベースで、アプリ側ではウェブベースのエコシステムをとりこむ狙いだが、戦略通りにいくのかどうかはわからない。
だが、スマートフォンの低価格化は間違いなく進みそうだ。Informaでは2017年には、出荷される携帯電話の2台に1台が150ドル以下の安価なスマートフォンになると予想している。250ドル以上する高価格帯機種は2011年市場の85%を占めたが、2017年には33%に縮小、スマートフォンの平均価格は2011年の188ドルから2017年には36ドル下がって152ドルになると予想している。
次に新規参入メーカーである。中でもうわさのあるのがAmazonとMicrosoftだ。このうち、AmazonはiPhoneなど多数の製品を受託製造するFoxconnと、スマートフォン製造に向けて契約を交わしたと台湾で報じられている。その報道通りであれば、2013年の中盤にもKindleフォンが登場する。「Surface」タブレットで自社ブランドモバイル機種を投入したMicrosoftも、次はSurfaceスマートフォンとの憶測がでている。
Amazonのようにハードウェアでの収益を最大の目的とせず、コンテンツの流通・販売の手段としてハードウェアを提供する動きが、端末専業メーカーにどのような影響を与えるのかも気になるところだ。Amazonはコンテンツから収益を得ればよいと考えており、ハードウェアはその手段にすぎない。AppleやGoogleもコンテンツやサービスがある。だがSamsungなどの既存メーカーはサービス事業を確立していない(Nokiaは地図サービス確立を図っているところだ)。Samsungは今年初夏に音楽サービス「Music Hub」を開始、コンテンツ担当者はこの分野を急ピッチで確立していく必要があると認めていた。
このように、携帯電話メーカーにとって、これまでの戦いとはルールが異なってきている。2013年はより顕著な形で新しい戦いのトレンドが見えてくるのではないだろうか。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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