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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 第68回

Android/Samsungが王座を獲った2012年 2013年はどうなる?

2012年12月26日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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 2012年もあと数日、2013年に向けたカウントダウンが始まった。今年最後となる今回の本連載ではこの1年のスマートフォンのプラットフォームとメーカー側のトレンドを振り返り、2013年の展望を試みたい。

Android(=Samsung)の圧勝
タブレットでもAndroidmが浸透

日本では大ヒットとまではいかないが、Samsung躍進に大きく寄与したヒット製品「GALAXY Note II」

 プラットフォーム別のシェアではAndroid勝利があちこちで報じられた。すでに50%を超えているアメリカはもちろん、スマートフォンの普及率が今年後半に過半数に達した欧州(英、仏、独、スペイン、イタリア)でも、Androidのシェアは2011年の34%から47%までに達し、構図を塗り替えた(comScore調査)。

 Androidの好調さは、AndroidのトップメーカーであるSamsungのシェアにそのまま反映されている。Samsungは各社の調査レポートにおいて、2012年第1四半期にNokiaから世界最大手の座を奪っている。IHS iSuppliの調査では2012年通年でも王座についた。スマートフォンだけみると、SamsungはすでにNokiaを超えていたが、フィーチャーフォンを含む携帯電話全体でもNokiaの総出荷台数を上回り、実質的な首位の座を手にしたことになる。歴史が長くない携帯電話市場では各社の調査開始以来、ずっとNokiaがNo.1だったため、初の王座交代とも言える。

 この事実はNokiaの苦戦がスマートフォン市場だけではないことも意味している。同社が長年、台数を稼いできた途上国市場での危機が現実になってきているのだ。その好例が中国だ。長年トップブランドだったNokiaに代わって、Androidを使った安価なスマートフォンブームが押し寄せている。実際にInformaの調査によると、Androidの最大市場はアメリカから中国に移ったという。

 ここでの主役はZTE、Huawei Technologies、Lenovoといった大手だけではない。Oppo、coolpad、Xiao Miといった海外ではあまり知られていない中国メーカーも伸びており、Androidは中国で独自の発展を遂げつつあるようだ。

 Android全体でみると、今年の大きな進展はLinuxカーネルへのマージがある。また今年はタブレット分野でやっとシェアが伸び始めたという好材料もあった。タブレットのシェア増についてはSamsungというよりも、Amazonの「Kindle」が大きな貢献者といえそうだ。AmazonはKindleの販売台数を公開していないが、8月末に米タブレット市場でのシェアが2割を超えたと報告している。Kindleは、日本や欧州など米国外展開が始まったところだ。今後の動向が注目される。

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