Nokiaは9月5日(現地時間)、ニューヨークにてプレスイベントを開催、Windows Phone 8を搭載した最新のフラッグシップ端末「Nokia Lumia 920」「Nokia Lumia 820」の2機種を発表した(関連記事)。
AppleとSamsungがスマートフォンの2強として君臨する中、かつての王者Nokiaが復活をかける機種になる。発表会にはNokiaのCEOに加え、MicrosoftのCEO、Steve Ballmer氏も登場し、GoogleとAppleに対する「Windows Phone 8」の戦いとしても重要な局面にあることをうかがわせた。
「It's Time to Switch(切り替えるときが来た)」──Nokiaのスマートフォン部門を率いるJo Harlow氏はこう述べて、最新のスマートフォンを紹介した。もちろん、AndroidスマホあるいはiPhoneから乗り換えようというキャッチフレーズだ。
年末商戦に向けた最新フラッグシップ端末となるLumia 920の特徴として紹介したのは、以下の4点。
- 最新のカメラ技術「PureView」搭載
- AR(拡張現実)技術を使ったアプリ「City Lens」
- ディスプレー技術「PureMotion HD+」
- Qiベースのワイヤレスチャージ(非接触充電)
PureViewは、2月末のMobile World Congressで発表したSymbianスマホ「Nokia 808 PureView」で、初めて製品化された最新のカメラ技術だ(関連記事)。シャッターの解放時間を長くすることで光を多く取り込み、同時に最新の手ぶれ防止技術によりぶれを防ぐため、薄暗いところでも鮮明な写真が撮れるという。「通常のスマートフォンが搭載するカメラと比較して、5~10倍の光をキャプチャーできる」とのこと。Lumia 920は870万画素のカメラを搭載しながらも、808 PureViewのようにカメラ部分が膨らむという外観への影響を防いだ。なお、IDCによると2020年、デジカメで撮影される画像の数と、携帯電話で撮影される画像の数が逆転すると予想されている。
City Lensは地図、ナビなどを含むアプリ「Nokia Location Suite」の一部。Nokiaが他社製Windows Phoneとの差別化を図るものだ。City Lensでは、カメラを通して画面に写る風景にPOI(Point of Interest・興味のある地点)、店名や観光地名などの情報が表示される。現在地からの距離や電話番号などのデータも表示され、レストランの場合、クリックして電話をかけて予約するなどの操作につなげることができるという。
Lumia 920は768×1280ドットのWXGAディスプレーを搭載し、サイズは4.5型。ここに採用されている画面技術が「PureMotion HD+」だ。直射日光など状況に合わせて自動で明るさなどを補正し、これまでの「ClearBlack」技術をさらに強化、色が鮮明になった。また、タッチ反応も改善し、デモでは手袋をしてタッチ画面操作を行なってみせた。
ワイヤレスチャージ機能では、Qi標準をサポート。Qi対応のワイヤレスチャージパッド、ワイヤレススピーカーなどのアクセサリーも発表したほか、Virgin Atlantic航空のラウンジと米国のコーヒーチェーン「The Coffee Beans and Tea Leafs」で、対応するワイヤレスチャージパッドが提供される。今後もワイヤレス充電を利用できる場所を増やすという。省電力の取り組みとしてはQualcommの1.5GHz動作のデュアルコアSnapdragon S4を搭載することで、バッテリー駆動時間を30%改善するとも述べた。
なおワイヤレスチャージについては、Samsungの「GALAXY S III」もワイヤレスチャージ機能を持ち、秋にもキット登場が予定されている。また、QualcommとSamsungは先にWiPower技術をプッシュする団体Alliance for Wireless Power(A4WP)を立ち上げており、Qiに対抗する勢力となるかが注目されている。
そのほかには、写真アプリ「Nokia Smart Shoot」、無料の音楽サービス「Nokia Music」、ナビアプリ「Nokia Drive」などのNokiaのサービス、「Microsoft Office」などを搭載する。
また、同時に発表されたLumia 820は、ワイヤレス充電、City Lensなど920の主要な機能や特徴の多くを取り込み、画面は4.3型とコンパクトにしたモデルだ。