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モバイルの達人・西田宗千佳が語る、レッツノート「CF-AX2」

AX2はモダンUIよりOffice 365での作業に効果的!?

2012年10月31日 11時00分更新

文● 村山剛史 語り●西田宗千佳

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日本のビジネスマン向けに特化したこだわりの結晶がこのホットスワップ機能だ

思い込みを廃して、使い勝手にこだわった開発陣に拍手!

―― いうなれば、これまでパワポ資料を作るための機械だったのが、『CF-AX2』になったらプレゼンまでできるようになったと。

西田 「見せるといっても大人数ではなく、2~3名相手のちょっとしたミニ営業や打ち合わせ時に、今までだったら紙を差し出して、自分だけパワポを眺めるという方法だったのが、『CF-AX2』だとタブレットごと提示できるんです」

―― ちょっとアニメーション入れたりとか(笑)。

西田 「これはWindows 8のModern UI Styleを使うため、というのはもちろんですが、むしろ新しいOfficeの使い勝手に合っているんじゃないかと。それはOne Noteも含めてですけど、Office 2013を『CF-AX2』で使うととてもいい感じなんですよ」

―― 今回のタブレット化にあたって、“コンバーチブルタイプは厚ぼったい”というイメージを払拭しているだけでなく、回転機構含めてかなり格好よくなってます。第一印象は?

西田 「思い切ったな、というのが正直なところです」

―― このスリムさは、やはり回転機構を司る特殊ヒンジのおかげでしょうか。

西田 「はい。そして(タブレットになった際)外側にキーボード面が露出してもいいという割り切りが大きかったと思うのです」

―― 確かに、スライドさせたり、液晶のみ回転させたりして、キーボード面をどうにか隠そうとしてますね。

西田 「『キーボードが表に出てると使いづらい』、そして何より『タブレットのときは板状になっていないといけない』とかね」

―― ありますね。そういう思い込みって。

「思い込みを廃して、割り切った仕様が『CF-AX2』のスリム&シンプルにつながったのでは」

西田 「レッツノート開発陣はそこで『別にいいじゃないか!』という考え方を選び取ったことで、スリム&シンプルを実現したといえます」

―― バッテリー周りもかなり変わりました。本体固定のバッテリーと、着脱できるバッテリーの2個体制に。しかも外したバッテリーを本体経由で充電できるという、かなり極まった代物なのですが、これの印象はいかがでしょう?

西田 「これまでも追加バッテリーは別途販売していたものの、“追加バッテリー要らずの長時間駆動”はレッツノートのアイデンティティーでした。もう1つバッテリーを買う予算や、バッテリーを1つ余計に持ち歩くことによるカバンの重量増などに悩まずとも“レッツノート1台持っていけば解決ですよ”という。

 それが今回、(ウルトラブック化に伴って)より薄く、より軽くという要求が降りてきたときに、あらためて追加バッテリー的なものを考える必要が出てきたと思うのです。

 ところが、ここでレッツノート開発陣は、ユーザーが本当に求めているのは“追加バッテリーを常に持ち歩くこと”ではなく、“残り容量が心もとないときでもサクッと同じ状態のまま作業が続けられること”だと気づいたのですね。

 他社のノートパソコンは“コンセントを使える場所が多い”から、“バッテリーは外せなくてもOK”というワールドワイドの状況をベースに仕様策定しています。要は、無線LANを使いながら5時間動けば、どこかのタイミングでコンセントを拝借すればいいという考え方。

 ところが日本の場合はそうもいきません。外出先でコンセントは借りられない状況がむしろ当たり前です。そしてそれはレッツノートの方向性と何も変わっていない。

 ただ、レッツノートはバッテリーを大型化するのではなく、スリムなまま、必要なときに着脱できるほうを選んだのですね。じつは、バッテリーが取り外しできるノートって世界的に減少傾向にあるんですけれど、レッツノート開発陣は“どうせ取り外せる仕様なら、利便性を高めよう”と考えたのが偉い」

―― そしてホットスワップを採用したと。

西田 「歴史的には大昔、HPとコンパックのモバイルチームが実現しているんですよね。ところが当時のバッテリー容量では利便性はそんなに上がらなかったんです。それが今や約6.5時間増やせるということで実用性が高まったと判断したのでしょう。

 目立たないけれど他にはない要素なので、これもレッツノートの可能性を1つ伸ばしたのではと思います」

―― 日本はモバイル機に求める仕様が厳しいのですね。

西田 「あと、空港やホテルロビーのコンセントを使うことにためらいを感じてしまうイメージが」

―― 確かに。盗電になってしまうのではないか、とか。

西田 「向こうだと地べたに座り込んで使ってますよね。しかも3キロぐらいする15~17インチ以上のノートを抱えていて、『お前、身体壊すんじゃないの?』と思うような使い方をしています。日本だとスーツのビジネスマンが地べたに座り込んで……というのはあり得ない。そう考えるとレッツノートが生まれた理由もわかりますよね」

―― 日本のビジネスマンのスタイルというか、慣習に合っている。

西田 「ワールドワイドモデルでは満たせないニーズをレッツノートは満たしているのだと思います」

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