矢野経済研究所は10月11日、「国内化粧品市場調査」を実施しその結果を発表した。
調査結果によると、2011年度の国内化粧品市場規模は前年度比0.7%減の2兆2710億円だった。2008年秋以降の景気後退による消費者の購買意欲の減退が回復しないなか、中価格帯、特にノープリントプライス※を採用したメガブランドが、店頭で価値訴求できずに苦戦する一方、1000円前後の低価格帯化粧品が台頭したことで、販売単価の下落が進行した。
2011年度の製品分野別市場規模では、男性用化粧品市場が唯一、前年度比で堅調に推移したが、スキンケア市場、メイクアップ市場、ヘアケア市場、フレグランス市場はいずれも前年割れとなった。また、スキンケアやメイクアップ市場における主な商品の特徴として、「時短」を訴求した簡便型の商品が注目を集めた。
調査期間は6月~9月。調査対象は化粧品ブランドメーカー、化粧品受託メーカー、化粧品原材料メーカー・商社、流通業者など。調査方法は同社専門研究員による直接面談、電話によるヒアリング、ならびに文献調査併用。
*メーカー希望小売価格などの価格表示を商品やパッケージに記載しないことをさす。