2012年春夏シーズンのアニメのなかで一際異彩を放ったコメディ作品『貧乏神が!』のBlu-ray Disc™がいよいよ発売になる。原作のノリを活かしたスラプスティックコメディが盛りだくさんの本作の面白さにハマったひとも多いはずだ。BD版には豊富な特典を収録し、さらに本作を楽しめる要素が満載。『貧乏神が!』の世界により深くハマりたいならコレクションは必須だ。
本作では歌手、女優、作詞・作曲などでマルチに活躍している神田沙也加さんが艶光路撫子役で声優デビューを果たした。神田さん実は相当な“アニヲタ”と聞きつけインタビューを申し込んだ。『貧乏神が!』の魅力と、併せて声優に挑戦した経緯などをうかがった。
━━アニメが相当お好きだそうですね。Blu-ray Disc™は、購入されていますか?
神田さん:買っていますね。とくにアニメ作品は量的にもう気がつくとカゴの中がすごいことになっていて(笑)レジで支払うときに、すごい額いってびっくりするんで、アニメ破産しちゃうといけないのでTVアニメは結局1話からずっと予約録画して、ガッツリ揃っているのですが…でも、やっぱり欲しい!ジャケットだったり、ブックレットだったり、書き下ろしだったりとかって、思うつぼですよね(笑)
━━買うときは意識してDVDよりもBlu-ray Disc™のほうを選ばれているそうですね。
神田さん:うん、そうですね。よほどの理由がないかぎりBlu-ray Disc™ですね。画質と特典を考えたらやっぱり買うならBlu-ray Disc™です。
━━いつぐらいからアニメを観ていましたか?
神田さん:小学生のころからアニメ見るのが大好きで、日曜の朝からやってるものだと、だいたい観ていましたね。大人になってからはさらに深夜アニメまで観るようになりましたから。趣味と言うよりはライフワークですね(笑)仕事の疲れをアニメに癒してもらっています。
━━原体験として残っている作品はなんですか?
神田さん:やっぱり『美少女戦士セーラームーン』ですね。『魔法騎士レイアース』とか、あのあたりです。
━━レイアースがでてくるあたりがマニアの片鱗を感じますね。
神田さん:そう、レイアースはかなり好きでしたね。CLAMPさんが好きだったので。
━━いつぐらいから声のお仕事をやりたいなって思われていたんですか?
神田さん:もともと私は、<女優>じゃなくて、<声優>さんになりたかったんですよ。きっかけは子供の頃セーラームーンなどを観ていて、キャラクターが好きだと、「この声ってどなたがやっていらっしゃるのかな?」っていうのが気になりだしたんです。
中高生ぐらいになったころ、声優さんってどうやってなれるのか調べてみたら、学校や養成所があることを知りました。しかし、声優のお仕事は、すごく狭き門だっていうことを知って、すぐには挑戦できませんでした。歌手や女優のお仕事をしながらも、声のお仕事から興味は離れませんでした。
アニメって当たり前なんですけど、声優さんはキャラクターに命を吹き込む神様的な、特別な存在だと思っています。アニメ好きにとって、鳥肌が立つぐらいすごいお仕事だな、って思うようになりました。それで、スクールを探して、通いました。
━━声優のスクールはいかがでしたか?
神田さん:もう皆さんすごい人ばかりなんですよ。生徒だって思えないくらいしっかりしていて、すでにプロみたいな感じの方ばかりでしたね。最初は自分がすごいド初心者に思えて、なんか申し訳なかったですね。アフレコの練習をしていても、自分で流れを止める感じがして、最初のうちは気後れすることもありました。やっぱり想像していたのと自分がやるのは違いますね。
━━キャリアを積んだ方が異なるジャンルのお仕事に挑戦するのには、すごく勇気がいると思いますが、不安はなかったですか?
神田さん:アニメ愛で乗り越えました!(笑)もうそれに尽きると思いますね。じつは、デビューしたときから声のお仕事をやりたくて、まわりにもそう言っていました。
ただ、なかなかタイミングが合わなくてお断りしてしまったものとかもいっぱいありました。それだけでなく、声のお仕事をするならそれなりにこちらにも準備が必要だと考えていました。
━━歌手や女優の経験値で、声のお仕事もできませんか?
神田さん:私の場合は、それはできないと思っていました。最近はミュージカルのお仕事をする機会が増えていますが、その場の空気感とかを掴んでいないと浮いてしまうことがあるんです。これはアニメも同じで、アニメ全体の流れが掴めてないと作品に違和感が出るのではないかと、心配していました。
もし私が練習不足で、作品に違和感が出るようなことがあったら、ひとりのアニメ好きとして、耐えられないと思うんですよ。アニメファンの方にとって、お目汚し(笑)にならないぐらいはちゃんとしておきたいっていう思いがすごくあって、スクールに通いました。アニメのお仕事が来たとき、いつでも挙手して、「はいっ! いけますっ!」っていうふうにしておかないとなって思った結果です。
━━決断されるときに、どなたかのアドバイスは受けましたか?
神田さん:以前から交流のある『ときめきメモリアル2』で陽ノ下光をやっておられた野田順子さんに「ちょっとこういうことを勉強したいんですけど」って(笑) ボイスサンプルの録音方法や養成所の情報などを教えていただきました。もうそのときは、ものすごい勢いでメモをして。そのアドバイスでスクールを自分で見つけて決めました。
━━マネージャーさんとかに、「こういうところ行きたいからちょっと探して」って……って感じ?
神田さん:私、結構何やるにも、自分で動かないと気が済まないタイプですね。周囲の人は、次何言ってくるかって、ドキドキしていると思いますよ(笑)
━━さて、いよいよ『貧乏神が!』のお仕事についてです。スクール出てどれぐらいで今回のお仕事を?
神田さん:そうですね、だいたい1年ぐらいですかね。
━━それまでいろいろとトライされていたのですか?
神田さん:はい。実技をやりながら勉強できる学校だったので、アフレコ形式で講師の人にしごかれつつ、模索していました。
━━今回の作品の艶光路撫子(あでのこうじ なでしこ)役を受けるきっかけは?
神田さん:劇団新感線の『薔薇とサムライ』という舞台に出演させていただいたんですが、このとき、ポニーという結構わがままな姫みたいな役をやったんです。それをたまたま原作の助野嘉昭先生が見ていてくださっていて。撫子役を決めるとき「すごい合う」っておっしゃってくれたようなんです。なんか、そう考えてみると、このお仕事にたどり着くまで、全部つながっていたなっていう感じはしますね。
━━歌手や、女優業をやられていて、ものすごくマルチに活躍されていますけれども、そういった経験というのは、声のお仕事にどれぐらい役立っているものなのでしょうか?
神田さん:たとえば、舞台やミュージカルをやってきて、すごく気を付けていることなんですけど、広い劇場もありますし、小劇場もあります。しかし、皆さんお客さま全員が同じ角度で、同じ近さで見られるわけではないので、例えば2階席の一番後ろとか、1階席の本当見切れているほうの席とかでも、同じ印象でお客さまに伝わるように、声色にはすごく気を使うんですよ。テレビなら細かな動きとか顔の表情で説明できますけど、舞台ではそうはいきません。
だから、耳だけで聞いても楽しめる、伝わるということを舞台のお仕事では意識しています。それが今回、声のお仕事が決まってから、役立っているなと感じています。『貧乏神が!』の収録でも音響監督に指導していただくのですが、そういった経験が今度はミュージカルの舞台で役立つことがあります。
先日もミュージカルの舞台『赤毛のアン』に出演していたのですが、その現場でも「声優の経験が、すごく生きてるんだね」って言われたので、もう、すごくうれしくて!
━━今回の作品で、思い入れのあるシーンはありますか?
神田さん:それはもう、私が任せていただいていたミニコーナー『今週の撫子が!』ですね! ただ残念ながら、このコーナー、10数秒とかしかないんですよ。なので、すこしでも長かった回とかはキター! と思いましたけどね。今回ちょっと長いぞ、みたいな(笑)時間は短いけど、なんか気になるコーナーっていうのを目指していました。
━━BDの特典とかで何か参加されるご予定はありますか?
神田さん:12月21日に発売になるBlu-ray Disc™初回限定版の第4巻に付属される特典スペシャルCDに出演させてもらってます!! 是非聞いてみてください。
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