柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第117回

3万円から15万円以上、最低限の予算でノートPCを購入する技

USB3.0やHDMI端子も完備
15万円オーバーのハイスペックPC

　予算が潤沢もしくは用途にこだわりがあるなら15万円オーバーのPCに手を伸ばそう。例えば、大画面液晶は必要だが、モバイルでも使いたいというわがままを実現したいなら、パナソニックの「Let's note CF-B11YWADR」が有力な選択肢となる。量販店での価格は16万9700円となかなかのお値段。

「Let's note CF-B11YWADR」（パナソニック）

　このクラスになると弱点はあまりない。液晶サイズは15.6型で、解像度は1920×1080ドットのフルHD。OSはWindows 7 Professional 64bit版を採用し、CPUにはCore i7 3615QM 2.30GHz、メモリーは4GB搭載する。通常の操作が快適なのはもちろん、オフィスソフトを起動したり、大きな画像を開いたりするのも一瞬だ。

　USB3.0を2つ備え、外付けHDDへのデータバックアップがラクラク。映像出力はアナログRGBに加え、HDMI端子も搭載している。とはいえ、このクラスのスペックは10万円台前半でも存在する。15万円オーバークラスのすごいところは、コンセプトにこだわっている点だ。

　「Let's note B」シリーズは、15.6型なのに約1.895kgという軽さ。見た目の大きさも相まって、持ってみると非常に軽く感じる。社内・家庭内モバイルはもちろん、外に持ち出す際も負担が少ない。ACアダプターまでコンパクトなのがうれしいところ。さらに、大画面ノートながら、約6時間のバッテリー駆動を実現しているのもすごい。大画面モバイルをするなら最有力候補となるだろう。

　この先数年間、倍近い重さのPCを持ち運ぶ手間は相当なもの。本モデルなら、社内モバイルで会議中にバッテリーが切れてしまう心配もない。耐衝撃性能にすぐれており、故障も少ない。さらに、フルHDの大画面で作業効率もアップするとなれば、5万円の差額も納得できるはず。

USB3.0を搭載。「CHARGE」と書いてある端子はPCの電源が切れていても給電されているので、USBデバイスを充電できる

Windowsエクスペリエンスインデックスの値

「CrystalDiskMark」（ひよひよ氏作）でストレージのデータ転送速度を計測

「ファイナルファンタジーXIV オフィシャルベンチマーク」でグラフィック性能をチェック

　「Let's note CF-B11YWADR」はどちらかというとビジネス寄りのPCなので、グラフィック機能は控えめ。3Dゲームも楽しみたいなら、チップセット内蔵ではなくGeForceなどのグラフィック機能を搭載したモデルがお勧めだ。この場合の予算は7～12万円と幅広い。グラフィック以外の機能が低いとボトルネックになってしまうので、CPUやメモリーにもこだわろう。その点を考えると、10万円前後の予算は確保したいところ。

　PCに加えてHDDレコーダーを物色中なら、AVノートを選ぶのもいい。例えば、「dynabook Satellite T752/WTTFB」なら、ハイエンドクラスの性能に加えて、3波対応のデジタルテレビチューナーをダブルで搭載している。価格は15万9800円～となるが、レコーダーの価格も含めれば、お得と感じるケースもあるだろう。予算を抑えたいなら、安価なPCにUSBの地デジチューナーを搭載するという選択肢もある。こちらなら、合計10万円で揃えられる。

　以上が、ざっくり3パターンの価格帯でできること・できないことやメリット・デメリットとなる。後悔しない買い物のコツは、予算よりも自分の利用目的や利用スタイルをしっかりと把握すること。そうすれば、PCスペックの最低ラインが見えてくるので、コスパのいい機種を選べばいい。無駄な予算を抑えて、賢い買い換えをしていただきたい。

筆者紹介─柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII LTE 知りたいことがズバッとわかる本」（翔泳社）「Twitter Perfect GuideBook」（ソーテック社）、「Dropbox WORKING」（翔泳社）、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。