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運動不足も関係なし! 電動アシスト自転車ライフを始めよう 第2回

電動アシストスポーツバイクをイッキ乗り! 乗りやすいのはどれ?

2012年05月08日 12時00分更新

文● じてんしゃ操太郎

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 電動アシスト自転車特集第2回は、前回紹介した5モデルをメーカーからお借りし(関連記事)、そのうちスポーツタイプの3モデルを乗り比べます。関東平野と言えども、かなり坂道の多い東京の都心部。自転車で移動すると、思わぬ急坂に遭遇してしまい、体力を奪われてしまいます。電動アシスト自転車なら、そんな坂でもへっちゃらなのか? またフル充電してどこまで走れるのか? 東京ドームを基点とした同じコースを3モデルで走り比べてみました。

 3モデルを比較するための走行条件は次のとおり。

  • バッテリーは各車種標準のものをフル充電した状態でスタート
  • 走行モードは、各車種ともに、一番アシストが強いものに統一
  • ほぼ同じコースを走る
  • 走行の時間帯は日中で、ライトは点灯しない
  • なるべく同じような力の入れ具合になるよう、変速ギアも使用
  • 乗員の身長170cm、体重77kg

今回試乗した3車種のスペック表。お値段はそれなりにするがそれ以上の快適さが約束される

カタログ値以上の結果が出た
ブリヂストンサイクル「リアルストリーム」

 最初に乗ったのは、ブリヂストンサイクル「リアルストリーム」。リアルストリームのスペックを見ると、いちばんアシストが強い「強モード」での走行距離は31km(業界統一テスト条件)。筆者の事務所がある神田神保町近くの東京ドームからスタートし、31kmほどで戻って来られるコースにしました。また、せっかくの電動アシスト付きなので、普段なら自転車では避けたい上り坂をなるべく選択しました。

ブリヂストンサイクル「リアルストリーム」

 リアルストリームは、フロントサスペンションフォークにディスクブレーキ、内装8段変速ギアを装備した、本格的なクロスバイクのスタイルをしています。コースを決めるにあたって、前日に少し走ってみたところ、その力強さに驚かされました。ペダルを踏んだとたんに、強いパワーを感じ、走り出してすぐに時速15kmくらいになります。

 信号待ちで止まったとき、少し後輪を後退させると、それにあらがうかのごとくベダルがビクンと反応します。アシストする気満々。加減に慣れないうちは、2回ほど間違えて急発進しそうになりました。また、上り坂では電動アシストの本領を発揮し、サドルに座ったまま、ギアを変える必要もなく、時速15kmほどでもぐんぐん上ります。

 というわけで、レビュー当日はバッテリーをフル充電し、坂を探しつつ、走ってみました。

 スタート地点の東京ドームから、すぐ北の春日通りにある富坂。神保町から池袋方面に行く際に最初に立ちはだかる坂です。ロードバイクを立ち漕ぎするサイクリストの後ろを、サドルに座ったまますいすいと登っていきます。坂の途中、赤信号で停止してても、その後の走り出しもすんなり。富坂を上がったら、春日通りをUターンして、アキバ方面へ。途中も上り坂がありますが、走行は苦しくありません。

 アキバからまた東京ドーム方面に戻るべく、本郷通りへと行く途中の神田明神坂下で、バッテリーの表示が90%となりました。ここまでの走行距離はおよそ4km。神田明神の前を通って東京ドーム方面に戻り、九段坂を目指します。

 九段坂の少し北にある中坂。距離は短いですが、九段坂よりも勾配が急な印象です。この坂を上り、九段坂をいったん下ってからさらに九段坂を上がるという、通常の自転車ではぜったいに走らないであろう、坂の連続でもへっちゃらです。九段坂を上がったあと、バッテリー残量表示は80%となりました。走行距離はこの時点で9km弱。

 靖国神社前からなにげにアップダウンの多い番町、麹町を経て紀尾井町へ。ホテルニューオータニ前にある紀尾井坂もかなりの勾配です。ところが、座ったまま時速13~15kmで通過。上がった先にある紀之国坂を下り、赤坂見附から青山方面へ国道246号を少し上ります。

 ここで、「坂といえば、赤坂だな」と思い、246からTBS方面に向かう薬研坂を行きます。このあたりでバッテリー残量70%、走行距離は12kmほど。この坂を一旦下って上るとTBS。その先にスゴい坂がありました

 TBSの裏手にある三分坂(さんぷんざか)。その昔、上るときの車賃を、坂下の渡し賃である銀一分に対し、銀三分に増したというのが由来だとか。今回のコースでは最難関の坂でした。この写真の奥には左に曲がりながら少し上りが続いていまして、自動車もスゴい音をたてながら上っています。さすがにここはキツイかな? と思いましたが、リアルストリームのアシスト力は頼もしく、ギアを少し軽くしただけで、すいすい上れました。

 青山通りに戻り、表参道に到着した時点でバッテリーは60%、走行距離は16kmと、仕様上の走行距離のおよそ半分まできました。青山通りは広く平坦な道ですので、どれくらいスピードを出せるかを試しました。少しがんばると時速30kmくらいは出せますが、時速25kmを超えるとアシストがなくなり、スピードの伸びが悪くなる印象でした。高速での走行にはあまり向いていないようです。

 表参道から代々木公園を通り、井の頭通りへ。代々木上原あたりもゆるい上り坂があります。ここを上りきったあたりでだいたい20kmだったので、折り返して幡ヶ谷、初台方面へ。

 初台あたりの住宅地も坂が多めです。ここは初台駅と参宮橋駅の間にある、切通しの坂へと向かう道。この付近でバッテリー残量は46%、走行距離は23kmあまり。やっとバッテリーの半分消費です。このあと代々木から千駄ヶ谷を抜けて信濃町へ。

 信濃町駅のすぐ北側から四谷方面へ向かうときにも、急な坂があります。写真は新宿区若葉の観音坂。細く急な坂でしたが、サドルにまたがったままでOK。ちなみに、急な坂を上ると、バッテリー残量表示が1~2%は減るような印象です。

 この坂を上ったあたりで走行距離は28km。新宿通りに出て、神保町オフィスに戻ると仕様上の数値である31kmほどだと思っていましたが、バッテリー残量は30%ほどあります。まだまだ走れそうなので、皇居を通り過ぎ、銀座を経て、海のほうに寄り道することにしました。

 「海のほうは坂がないんじゃないか?」と思う方もいらっしゃるようですが、いやいや、橋があるんです。というわけで、勝鬨橋を渡って、海風にあおられながら晴海大橋のたもとに来ました。バッテリー残量は19%。走行距離は36kmと、仕様上の数値を大きく上回っています。そこでこの坂……ではなくて橋を上ってみます。

 晴海大橋最頂地点にきました。けっこう急で、風が強いことも多く、普通の自転車で上ると息が切れるほどなんですが、ここも楽に上れました。バッテリー残量は16%と、上がるだけで3%も消費。晴海大橋を降りたら、神保町方面に向かうべく、折り返して橋の反対側をまた上りました。

 走行距離40kmほど走った月島あたりでバッテリー残量が10%に。ディスプレーのバッテリーマークが点滅しはじめます。はたして残り10%でスタート地点まで戻れるのでしょうか? 少しドキドキしてきました。

 その後、八丁堀から茅場町、日本橋ときて、皇居の大手門を過ぎたあたりで、バッテリーが空になりました。というわけで、走行距離45kmと、カタログ値の31kmを大幅に上回る結果となりました。ちなみにバッテリーが切れると、当然アシストがなくなりますので、ベダルが重くなります。そのときは慌てずに、ギアを軽めにすれば、平坦な道ならフツーに走れます。


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※今回の走行ログ(iPhoneアプリ「Cyclemeter」で計測)

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