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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第148回

GPU黒歴史 OpenGLの老舗もDirect3Dに乗り遅れ Permedia 3

2012年04月23日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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 GPU黒歴史の第12回は、これも古くからのPCユーザーにはおなじみである3Dlabs社の、「Permedia 3」を取り上げたい。もっともこの会社の製品の場合、Permedia 3と「P10」のどっちがより黒歴史だったか(あるいは、より致命傷だったか)、今振り返ってみるとかなり微妙なものがある。今回はそのあたりも含めてご紹介したい。

デュポンの傘下から独立して始まった3Dlabs社

3Dlabsの製品ロードマップ

 3Dlabsは1994年に、デュポン社の傘下にあった英国のDuPont Pixel Systems社が、MBO(経営者による会社買収)により独立企業として再スタートした企業だ。同社はDuPont Pixel Systemの時代から、OpenGLをベースとした高品位なグラフィックチップと、これを利用したグラフィックボードを提供する企業であり、これは3Dlabsに看板を書き換えても変わらなかった。

 その3Dlabsの最初の製品が、プロフェッショナル向けのOpenGL対応レンダリングエンジンである「GLINT 300SX」である。30万トライアングル/秒の速度でグーローシェーディング(Gouraud Shading)でのレンダリングができるということで「300SX」という型番が付いたこの製品は、OpenGLに完全準拠するほか、Win32とX11(X Window System)の2D表示をサポートした製品であった。

 GLINT 300SXの最初のターゲットはUNIXワークステーションだった。例えばNEC Technologies社は、このGLINT 300SXに同社の「VR4400 CPU」を組み合わせた「RISCstation 2200」という製品を、1995年5月に発表している。

 これに続き、1996年には「GLINT 500TX」が発表された。こちらは50万トライアングル/秒の速度でグーローシェーディングを行なえるというものだった。倍とは言わないまでも、かなりの高速化を実現したことになる。また同じタイミングで、ジオメトリアクセラレーターである「GLINT Delta」も発表された。GLINT 500TXはようするにピクセルシェーダーで、画面のレンダリングのみを行なうものであるが、頂点シェーダーに当たる部分を担うのがGLINT Deltaである。GLINT Deltaは以下のような性能を持っており、これを33MHz動作で実現できた。

  • 75万トライアングル/秒(Meshed, Texture Mapped, Depth Buffered)
  • 70万トライアングル/秒(Meshed, Gouraud Shaded, Depth Buffered)
  • 100万ポリライン/秒(Gouraud Shaded, Depth Buffered)
  • 200万ポリライン/秒(Flat Shaded, Non-Depth Buffered)

 また、自身がPCIブリッジの機能も持っていたので、GLINT 300SX/500TXや、次のPermedia 1を接続して利用することが可能だった。

 同じ1996年に3Dlabsは、初のコンシューマー向け製品となる「Permedia」(Permedia 1)が発表された。言ってみればGLINT 500TXのサブセットといった扱いではあるが、SGRAMをサポートしたほか、内蔵するVGA互換チップにUniVBE(Universal VESA BIOS Extension)のドライバーが付く(GLINT 500TXにはない)など、単なるサブセットではなく、コンシューマー向けにきちんと差別化した製品であった。

 ドライバーのサポートもOpenGLのみならず、DirectDrawとDirect3D、QuickDraw 3D/QuickDraw3D RAVEなどが追加されている。もっとも、意欲的だったわりには商業的に成功したとは言えず、Creative Labsほか数社から若干のグラフィックスカードが発売された程度にとどまった。

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