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35年かけて作られてきた、“エレクトロニクスの弁当箱”

「SIMナシの7インチ」タブレットを使う6の理由

2012年04月24日 12時00分更新

文● 遠藤 諭(アスキー総合研究所所長)

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「SIMなし、7インチ」は35年の時間をかけて作られた
エレクトロニクスの弁当箱みたいじゃないか

 しかし、私が、SIMナシの7インチタブレットをおすすめする理由は、そういった議論とは違う話なのだ。

 世界市場では、タブレットの出荷台数は6870万台まで伸びている(米IDCによる)。それに対して、PCの年間の世界出荷台数は3億5300万台だそうだ。いまのところタブレットは、個人利用のほうが圧倒的に多いので、だいたいPCが2~3台売れる間にタブレットが1台売れているような感覚ではないかと思う。

 そして内訳は、iOSが54.7%で、残りをAndroid系が分け合っている。Androidの中ではKindle Fireのほか7インチタブレットが相応のボリュームを占めてることが予想できる。

 たぶん、重量がいまの半分くらいになったら9.7インチもいまよりは手で扱うのがラクにもなるだろう。さらに薄くなったら、グニャグニャ曲がるフレキシブルディスプレイも欲しくなる。そういえば、「戦後最大のメディアのイス取りゲームが始まっている」の中では、Siriについて触れたから、「なぜグーグルのProject Glassに触れないのだ」という意見をつぶやいてくれた人もいる。

 しかし、いまこれからのコンピューティングがどんな方向に広がるかを自由にイメージできる素材としては、まっさらのSIMナシ7インチタブレットが食べごろだと思うのだ。これをいじくりまわして、いろんなことを試してみることこそが、まさにイノベーションのためのちょうどよいステップになる。それは、マイクロエレクトロニクスが35年ほどの時間をかけて熟成してきた技術をコンパクトに詰め込んだ「エレクトロニクスの弁当箱」みたいじゃないか。

 つまり、自由で楽しくておいしいということだ。




SIMなし&7インチ Camangi「Mangrove 7」

●OS:Android 3.2
●CPU:NVIDIA Tegra T20 Dual-core(1GHz)
●メモリー:1GB ●ストレージ:8GB SSD
●液晶ディスプレー:7インチ(1024×600ドット)
●本体サイズ:幅122×高さ195×奥行き11.92mm
●重量:380g
●価格:4万4800円
(現在、キャンペーンで3万9000円)

■ 筆者――遠藤諭(えんどう さとし)

 アスキー総合研究所所長。同研究所の「メディア&コンテンツサーベイ」の2012年版の販売を開始。その調査結果をもとに書いた「戦後最大のメディアの椅子取りゲームが始まっている」が業界で話題になっている。2012年4月よりTOKYO MXの「チェックタイム」(朝7:00~8:00)で「東京ITニュース」のコメンテーターをつとめている。

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