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35年かけて作られてきた、“エレクトロニクスの弁当箱”

「SIMナシの7インチ」タブレットを使う6の理由

2012年04月24日 12時00分更新

文● 遠藤 諭(アスキー総合研究所所長)

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とても優れた最新式の洗濯機と
電話一本で来てくれるクリーニング店

 SIMナシの7インチのタブレットの弱点は、当然のことながらここまで書いたことの逆のことがらである。2年しばりで端末が「実質0円」になるなんてマジックも起こらないし、軽い小さいといってもシャツやジーンズのポケットには入らない。かといって、iPadのようにプレゼンに使うには小さすぎる。両手を使うので傘を持ったまま使えないし、サンドイッチを食べながらTwitterでつぶやくこともできない。

 Camangiの「Mangrove 7」の場合で、本体サイズは幅122×高さ195×奥行き11.92mm。DVDのプラケースの幅を少しせばめたような感じというとイメージしやすいかもしれない。重量も380gと、ポケットに350ミリリットルの缶ビールを入れている感覚になる。スマートフォンに比べるとはっきりと存在を意識させるボリューム感である。

Camangi「Mangrove 7」の本体サイズはDVDのプラケースの幅を少しせばめたくらい

 いまのところほとんどの7インチタブレットはAndroidだけなので、「iOSでないことが弱点」という人もいるかもしれない。海外サイトを見ると、7.8インチとも8.4インチとも言われる「iPad mini」に関する噂がまことしやかに流れている(ご存知のようにジョブズの意見を尊重するなら簡単には出てこないわけなのだが)。

 私は、iPadとKindleを比較して、「とても優れた最新式の洗濯機と、電話一本で来てくれるクリーニング店のようなものではないか」と書いたことがある。電子書籍や映像を楽しんだり、簡単なアプリを動かしたり、Webを見ているだけなら、Kindle Fireのほうが、iPadよりラクだと感じられるのではないかと書いたのだ。

 「メディアタブレット」としてのタブレットと、「情報端末」としてのタブレットというのがあるわけだ。Kindle Fireは、間違いなく前者に徹した端末であり、一般的なAndroidタブレットはいうまでもなく後者。それに対して、iPadは、これらとは微妙にシフトしたところにある。そういう絶妙なところにバランスさせているところが、iPad(iOS)のすばらしいところなのだが。

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