3月26日、アイティメディアはキュレーションメディア「ONETOPI(ワントピ)」の事業や新サービスに関する発表会を開催した。iPhoneアプリケーションがバージョンアップされたほか、年内に1000キュレーターを目指す募集プログラムも開始した。
SNS時代の情報収集ツールの形とは?
キュレーションメディアとは、専門のトピックを担当するキュレーターが関心を持ったネット上の記事や投稿をコメント付きで配布するというメディア形態。ONETOPIはTwitterをベースにしたキュレーションメディアで、現在190に渡るトピックに関する情報を提供している。最新の合計購読数は33万を突破しているという。
発表会の冒頭、アイティメディア 取締役/スマートメディア事業推進部長の斎藤健二氏は、ネット上の情報量が爆発的に増え、検索だけでは必要な情報にたどり着けない時代に突入していると指摘した。斎藤氏は、米国の主要ニュースサイトにおける流入トラフィックがすでにGoogleによる検索ではなく、SNSによる人間を介する情報取得に移っている現状を示す調査資料を披露。そして、「ITmediaとしては情報を作るクリエーターと情報を消費するオーディエンスの間にキュレーターが存在すると考えている」と、ONETOPIで想定する情報配信の3階層について説明した。「弊社もコンテンツは作れるが、ある日Googleからのリンクがなくなったら、記事が読まれなくなるという可能性だってある。こうした事態を想定し、自身で情報流通チャネルを持つべきだと考えている」(斎藤氏)。
斎藤氏は、2011年はAndroidやiPhone向けのアプリを提供し、スマートデバイスにいち早く対応してきた実績を強調。また、NAVERまとめやTogetterなどの他のキュレーションメディアがストック性や属人性を重んじるのに対し、ONETOPIではテーマ性とリアルタイム性を重視していると説明した。「たとえば、他のメディアでは数日経ってまとめサイトができるイメージだが、ONETOPIではキュレーターがリアルタイムにコメントを入れるようなイメージ」(斎藤氏)とのことで、特に最新情報にこだわっているという。
年内に1000トピックを目指す
今回は、iPhone版アプリケーションの最新バージョン「ONETOPI V2 for iPhone」を発表した。新バージョンでは、半年間のフィードバックを受け、スマホで見やすく、さらにキビキビとした動作を目指したという。具体的にはジャンプ先のスクリーンショットを小さくし、コメントを重視したほか、先読みなどでスクロールや表示を高速化した。また、トピックストアに検索機能を加え、見つけやすくしたという。
また、3月現在190のトピックを年内に1000トピックに拡大すべく、キュレーターの養成を積極的に行なうという。現状は「Google」や「クラウド」などIT系を中心に、原発・放射能、地震、カレー、Beautyなどのトピックがあるが、今後はスマートフォン/PC/車の機種別トピックや、非IT系となる好きなアーティスト、タレント、キャラクター、作品ごとのトピックを強化していくという。ただ、こうしたキュレーターのコストに関しては、「ギャラのお支払いを否定するわけではないが、現状キュレーターの方々のモチベーションは、お金ではない」(斎藤氏)とのことで、あくまで個人を超えた情報配信を実現するために利用してもらうことを目指しているという。