ユーザーがスマートフォンに抱く不満の1つにバッテリー持続時間がある。メーカー各社はバッテリー容量の拡大、ディスプレー技術の改善などの対策を講じているが、米大学からスマホ上で動くアプリケーションにスポットを当てた調査結果が発表された。そこでは、広告付きの無料アプリはバッテリー浪費が激しいことがわかった。
調査を行ったのは米パーデュー大学のAbhinav Pathak氏とY.Charlie Hu氏、それにMicrosoft ResearchのMing Zhang氏。3氏を中心とする研究チームは電力消費を調べるにあたって、バッテリープロファイラー「Eprof」を開発、これを利用してAngry Bird、Facebook、New York Times、Free Chess、MapQuest、Webブラウザーといった人気アプリについて、電力使用を調べた。
Angry Birdの場合、ゲームをプレイするための表示や動作に使われるのはアプリが利用する電力全体のわずか20%。45%はサードパーティー製のFlurryエージェントが使用している。Flurryはモバイルアプリやアクティベーションに関するデータをアグリゲーションしており、GPSを利用したユーザー位置情報の取得やアップロード、3G回線を利用した位置情報ベースの広告のダウンロードなどで電力を消費しているという。
ユーザーがアプリを閉じてもHeapWorkerがクリーンナップを行ない、まだ終了していないソケットを終了させるために3G接続状態が約10秒続いている。このような“Tail Power”のために28%の電力を消費することも報告している。
また、無料のチェスゲームFree Chessでは、サードパーティのAdLibraryが50%を占め、ゲームをプレイするために使われる電力は20%だった。
このようなことから、報告書では、無料アプリケーションが消費する電力の65%から75%をサードパーティー製の広告モジュールが占めると類推している。モバイルアプリでは、広告モデルの無料アプリはもちろん、ダウンロードと基本機能の利用は無料で、アイテムや追加機能を有料提供するタイプのアプリでもやはり広告が表示されることが多い。
調査ではまた、「wakelock bug」という電力消費関連のバグの存在も報告しており、アプリのI/Oを最適化する“バンドルプレゼンテーション”により、電力消費を改善できるとも記している。
Pathak氏らは調査結果をNew Scientistで公開、詳細については4月にスイス・ベルンで開催される「Eurosys 2012」にて報告する予定だ。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている