マイクロソフトは20日、Windows 7およびWindows Vistaのサポート期間(サポートライフサイクル)の変更を発表した。これによると、Windows 7/Vistaのサポート期間は、エディションに関わらず最長10年に延長される。
従来よりWindowsのサポート期間は、コンシューマー用(例:Windows Vista Home Premium)とビジネス用(例:Windows Vista Business)とで異なっていた。Windowsのサポート期間は2種類あり、無償インシデントサポートや機能のリクエストが可能な「メインストリームサポート」と、これらが省かれて有償サポートやセキュリティー更新、技術情報の提供などが行なわれる「延長サポート」で構成される。
しかしそのサポート期間は、ビジネス用が最長10年間(メイン5年+延長5年)であったのに対して、コンシューマー用は「製品発売日より最短でも5年間、あるいは次期製品の発売より2年間のどちらか長い方の期間」の間、メインストリームサポートのみが提供となっていた(いずれも最新のサービスパックが適用されている場合)。
このルールに従うと、Windows Vistaのコンシューマー用エディション(Home PremiumやUltimateなど)は、2012年4月10日にメインストリームサポートが終了すると、セキュリティー更新の提供が打ち切られることになっていた(関連記事)。しかし、ビジネスユースでもHome Premiumエディションを使っている環境は多く、サポート期間終了に備えてOSやパソコンの更新に迫られる場合もあった。
しかし今回の変更により、Windows 7/Vistaのサポート期間は、OSのエディションと関係なくなり、すべてビジネス系と同じメイン5年+延長5年の10年間に統一されることになった(32/64bit版は問わない)。新しいサポート終了の予定日は、Windows Vistaは2017年4月11日、Windows 7は2020年1月24日となる。なお、延長される期間はいずれも延長サポートの期間であり、メインストリームサポート期間に変更はない。また、延長されるのは最新のサービスパックを適用した場合である。
OSとエディション | 旧終了日 | 新終了日 |
---|---|---|
Windows Vista Home Basic/Home Premium/ Ultimate/Starter |
2012年4月10日 | 2017年4月11日 |
Windows Vista Business/Enterprise | 2017年4月11日 | 変更なし |
Windows 7 Home Basic/Home Premium/ Ultimate/Starter |
2015年1月13日 | 2020年1月14日 |
Windows 7 Professional/Enterprise | 2020年1月14日 | 変更なし |
今回の変更について日本マイクロソフトでは、「コンシューマー用とビジネス用が別々だったものを一貫して、わかりやすいサポートを提供するため」の変更であるとしている。いずれにしても、買い換えを検討していたVistaユーザーにとっては、買い換えまでの猶予が伸びることになる。また、最上位エディションにも関わらず、Ultimateエディションがコンシューマー用に位置付けられてサポート期間が短かった齟齬についても、これにより解消されることとなる。
