1/1.7型というコンデジとしては大きめな撮像素子を採用し、マニュアル的な操作を前面に押し出したキヤノンの高級コンパクト機「PowerShot S」シリーズ。
F2.0の明るいレンズなどが好評で、高級機ながら人気モデルである。その最新機種「PowerShot S100」(予想実売価格5万5000円前後)が明日(12月8日)発売になる。というわけで、今回その機能や画質などをチェックしてみた。
新レンズ採用で光学3.8倍から5倍に
従来機の「S95」は撮像素子に1000万画素のセンサーを採用していたが、S100では1210万画素となった。また、レンズのズーム比も従来の3.8倍から5倍になり、広角側、望遠側共に広がっている。
本体サイズは幅98.9×奥行き26.7×高さ59.8mm。全体的な雰囲気は従来機そのままだが、S95に比べて高さは1.4mmほど増えたが、幅が0.9mm、奥行きは2.8mm小さくなった。それほど大きさは変わってないが、見た目の印象はかなり横が狭く感じる。
レンズ基部に備わるコントローラーリングや背面のダイアルはそのまま踏襲し、基本的な操作感はそのまま。しかし、各機能はレベルアップしている。
レンズは35mm判換算で約24-120mmに相当する。広角24mm側での開放F値はF2.0と明るいが、望遠側の120mm側ではF5.9になる。S90/95では28-105mm相当のズームだったので広角望遠ともに広がっている。
高倍率化しても広角側の開放F値が変わっていないのはうれしい。なお、最小絞りはズーム全域でF8.0まで、望遠側ではF5.9、F7.1、F8.0の2つだけになってしまう。また、開放F値2.0を活かすために光量を抑えるNDフィルターが内蔵されている。
絞りによる画質の違い
絞りの変化を見てみると、ミラーレスやデジイチに比べると被写界深度が深く、背景がぼけにくいが、近づくことで背景をある程度ぼかせる。
ぼけ方はエッジが少し残りがちで固い。F4.0あたりまではシャープネスが高いが、F5.6以降は回折現象で徐々に甘くなっていく傾向だ。