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節電節約! LEDで生活が変わる! 第3回

夏休みの工作に! LEDで偽札判定機や暗視スコープを作成

2011年08月19日 12時00分更新

文● 藤山哲人

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紫外線LEDで偽札・偽パスポート・偽造カード判定機を作る!

 LEDには、赤や緑、青や白といったカラフルなものが売られている。しかし目に見えない色で光る、紫外線LEDというものがある。いわゆるブラックライトや電撃殺虫器、床屋にある消毒ケースで使われている紫外線蛍光ランプのLED版だ。

秋月電子で売っている紫外線LED。10個で250円なのでかなり格安。ただし個体のバラつきが結構あるっぽい

 一方、お札やパスポートには、紫外線に反応して光る特殊インクが使われていて、太陽光や蛍光灯ではなにも見えないが、紫外線当てると透かしのようなものが浮き上がるものがある。ここでは、コンパクトな偽造パスポート。クレジットカード判定機を作ってみよう。

●パーツリスト

  • 紫外線LED/9個/秋月電子/10個で250円
  • 名刺サイズの基板/1枚/秋月電子/70円
  • トグルスイッチ/1個/千石電商/150円
  • 単3本電池ボックス/1個/秋月電子/60円
  • 透明ケース/1個/秋月電子/180円

1.抵抗1本に対して3つの紫外線LEDを半田付け

 LEDの長い足同士、短い足同士を半田付けし、長い足のほうには47Ωの抵抗を入れる。これでLED3灯1列のモジュールが完成。この状態で抵抗に4.5Vのプラスと、LEDの短い足にマイナスをつなぐとLEDが点灯する。

これで1列完成

半田面はこんな感じ

2.同様に3列9灯のLEDを半田付けして基板をカットする

 3列を同じように半田付けして、それぞれの列の抵抗(プラス側)とLEDに短い足(マイナス側)をまとめる。

3×3で合計9灯の紫外線ランプのできあがり。部品面で横に伸びている2本の線は、各列のLEDのマイナスをまとめているジャンパ線

手前の横になっている線は、抵抗のプラス側をまとめたもの

3.電源まわりの配線

 電池ボックスをケースに入れ、電源スイッチを経由してLEDモジュールに電源を半田付けする。

電池ボックスとスイッチを取り付け配線

紫外線LED照射ユニットをケースに固定して、電源を配線すれば完成

4.とりあえず完成だけど光りの回り具合を改善

 写真を見て分かるとおり、LEDを9灯しか使っていないので、光りの周りにムラがある。

紫外線は本来目に見えないが、若干目に見える光りも発しているようだ。紫外線は目に悪いので、暗いからといって直視しないこと。さもないと目がチカチカする

 そこで発光部の回りをマスキングして120番のヤスリで曇りガラス風に仕上げよう。

曇りガラス風にする部分を露出させ、他は養生テープなどでマスキング

120番の荒いヤスリでプラスチックに傷をつけ曇りガラスにする

透明なままより、マイルドに光りが全体に回るようになった

偽物を判定してみよう!

 まずはクレジットカードから。カードに紫外線を当ててみると、文字が浮かび上がる。

蛍光灯の下で見ても何も浮かんで見えない

紫外線を当てると文字が浮かび上がる

 色々なカードを試してみたが、すべてのカードにこの仕掛けがされているようではないようだ。続いてパスポート。写真はICチップを内蔵した最新のパスポートを使っている。

紫外線を当てると、人物の写真が右側に浮かび上がる

拡大すると、このように見える

 ちなみに1996年発行のパスポートには、このような仕掛けはなかった。次はお札だが、情報によれば印の部分が光るという。

この紫外線には反応しなかった、もっと波長の短い紫外線LEDを使わないとダメらしい

 この紫外線LEDでは浮き出なかった。紫外線LEDにはいくつか波長があるが、今回使った400~410nmではダメらしい。もう少し短い波長の380~390nmの紫外線LEDでも同様のものを作ってみたが、それでも光らず。もっと波長の短い、370nmの紫外線LEDを使わないと反応しないらしいが、このLEDは高価な上に市場にはほとんど出回らないということなので、お札に反応するものを作るのは難しそうだ。

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