豆電球式の懐中電灯を
パワーLEDに替えてパワーアップ!
市販されているLED式の懐中電灯は、フツーの砲弾型LEDを何個か使ったものばかり。これは乾電池を長持ちさせつつ、それなりに明るくするベストな開発アプローチだ。しかし、LED電球で使われているパワーLEDは、電気エネルギーの30%を熱としてロスしてしまうが、通常のLEDに比べ明るさがぜんぜん違う。が! そんなアフォな設計をしているLED式懐中電灯はお店じゃ売ってない。そこで電池をガンガン消費するが、ギンギラギンに光るパワーLED式の懐中電灯を作ってみることにした。
●パーツリスト
- 3W出力白色ハイパワーLED/1個/秋月電子/250円
- LED電球用レンズ/1個/秋月電子/100円
- セメント抵抗3Ω/1個/千石電商/80円
- ヒートシンク/1個/秋月電子/50円
- 単1×4本式懐中電灯/1個/電気店など/1000円
1.豆電球の取り付け部分を改造
パワーLED自体は薄型だが、熱を持つのためヒートシンクを取り付けたり、LEDに流れる電流を調整する抵抗をつける必要があるので、懐中電灯の豆電球ソケットが邪魔になる。そこでニッパーなどで、土台となる部分を整地してやろう。
2.配線は半田付けできないので金具に噛ませる
懐中電灯は外で使うことが前提になっているので、スイッチなどに使われている金具は、さびないステンレス製。だから半田付けできないので、配線は金具の下に滑り込ませて噛ませるなどしよう。
3.パワーLEDをヒートシンクに取り付ける
パワーLEDに電線を半田付けしてから、それをヒートシンクに取り付ける。順番を逆にすると、半田ごての熱がヒートシンクから逃げてしまうので、半田付けが難しくなるので注意! また、LEDのプラス・マイナスを間違えるとまったく点灯しなくなるので、極性にも注意しよう。
パワーLEDとヒートシンクの固定は、ヒートシンクに2.5mmの下穴を開けて、M3ネジ用のタップで雌ネジを切ってやるのがベスト。3mm穴を開けてナットで固定してもいいけど、ヒートシンクのフィンに当たる場合があるの注意しよう。
4.電池とパワーLEDの間に3Ωのセメント抵抗を入れる
この抵抗は、LEDに流す電流を制限するものだ。パワーLEDによって流せる電流が違うので、オームの法則でそれぞれ計算して欲しい。ただ電圧は、単1×4本なので6Vなので、次の計算式で抵抗を求めよう。
〔抵抗値〕=(6V-〔順方向電圧〕)÷〔順方向電流〕
〔順方向電圧〕はデータシートのVFという値で示されている。最小値のMinと標準のTyp、最大値のMaxが表示されている場合は、Typの値を使えばいいだろう。たとえば、VFのTypが3.3Vなら〔順方向電圧〕は3.3Vにすればいい。また〔順方向電流〕は、パワーLEDを買うと付いてくるデータシートにIFという値で示されているので、これをAに直した値を入れる。つまりIFが700mAなら、〔順方向電流〕は0.7にすればいい。
これで(6V-3.3V)÷0.7Aを計算すると、3.85Ωとなるが、小数点以下が出た場合は、切り捨てした値の抵抗を買おう。ただし、〔順方向電圧〕にMaxを入れた場合は切り上げすること。こうしないと制限以上の電流が流れてしまう。
抵抗には色々あるが、ここで利用するのはセメント抵抗と呼ばれるもの。またセメント抵抗には、同じΩ数でも電力に応じた数タイプが容易されているので、10Wタイプを選んでおくこと。
5.パワーLEDを懐中電灯に取り付ける
ヒートシンクに穴を開け、土台にネジで固定したら、懐中電灯に組み込む。
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