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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第75回

だだ漏れのネットサービスから情報漏洩を止める技

2011年07月26日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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 毎日のように情報漏洩の事件が起きている。個人・企業を問わず、トップシークレットの情報がネットにだだ漏れしているのだ。対岸の火事ならのんきに構えていられるが、思わぬときに火の粉が飛んでくるもの。ユーザーが対処や運用を間違えば、火の元にもなってしまう。今回は、一般ユーザーにありがちな情報漏洩口のチェックと、可能であればその対策を紹介しよう。

ありとあらゆるところから情報は漏洩している

 ブログやホームページからメールやメルマガ、mixi、TwitterといったSNSや、Amazonなどのショッピングサイト、プレイステーションネットワークのような配信サービスなど、今や個人でも多数のネットサービスを利用しており、情報の流出口は絞りきれない。それぞれのサービスで設定をチェックし、適切に運用する必要があるのだ。ここでは、実際に起きた事例を元に、リスクと適切な運用方法を紹介しよう。

 Amazonは送料が安く、発送も早いので書籍をはじめさまざまなものを購入している人は多いだろう。Amazonでいろいろな商品をチェックしながら、気になる製品を「ほしい物リスト」に登録しておくと、あとでまとめてチェックできるので便利。ただし、このリストは公開することもできる。家族や友人に知らせて、プレゼントなどを選ぶ際に使えるのだが、本名もしくはメールアドレスで検索できるのだ。現在は初期設定が非公開になっているが、以前は公開がデフォルトだったので、知人や有名人の情報を片っ端から検索するのが流行った。

 有名人がアダルトグッズを買っていたり、アニメを批判していた友人がアニメを大人買いしていたり、いかがわしい本がずらーっと並んでいたりと、人によっては切腹ものの公開処刑だった。さらに、メールアドレスから登録名が検索できる機能も悪用された。匿名で運用しているホームページやブログに掲載しているメールアドレスから、本名がばれたりしたのだ。もちろん、リストは非公開にすることもできる。Amazonを使っている人は早速チェックしよう。

ログインしていなくても、「ほしい物リスト」に名前を入れるとリストが表示される

「公開/非公開の設定を変更する」をクリックし、設定を変更できる

 正確には情報が漏洩しているわけではないのだが、Twitterのつぶやきが元でトラブルに巻き込まれている人が続出しているので、触れておくことにする。Twitterは、明示的に設定しない限り全世界に公開されている。フォロワーが友達数人だとしても、検索は可能。今は「飲酒運転」や「カンニング」といったキーワードで、リアルタイムにTwitter検索している人が多いので、その手のツイートは即見つかってしまう。すると、すぐに掲示板にスレッドが立ち拡散し始め、ウェブページの記録を録るサービスに永久保存されてしまう。後から友人に教えられてツイートを削除しても後の祭りだ。

 Twitterに本名を登録していなくても、よく連絡を取っているユーザーのつぶやきやSNSへのリンクから素性がわかってしまうことも多い。例えば、「今日は仕事でへとへと」というつぶやきに、「今日は本当にお疲れ様」と返信した友人が勤務先を公開していたら、芋づる式に解析できるのだ。Twitterには常識に反することや違法行為と取られかねないことは投稿しないようにしよう。メモや日記の代わりに使うなら、非公開設定にする。友人達とクローズな環境で楽しみたいなら、ほかのSNSやメルマガを利用すればいい。

Twitterの設定画面で「ツイートを非公開にする」にチェックする

 スマートフォンで撮影した写真を投稿する際は、ジオタグに注意したい。撮影場所の情報を画像に埋め込む機能を有効にしていると、自宅や職場、学校がわかってしまうことがある。自分だけで利用するならジオタグを有効にしておいた方が便利だが、投稿する際は無効にしておきたい。もし、撮影済みの写真を投稿する場合は、アプリを使ってジオタグを削除しよう。iPhoneなら「Geotag Editor」、Androidなら「ジオ消し」がオススメだ。

Twitterの現在位置機能をオフにする

カメラアプリでジオタグを設定しないようにする。画像はiPhoneの設定画面

写真のジオタグを削除する。画像は「Geotag Editor」。右下のボタンをタップして、「未設定」にする

(次ページへ続く)

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