Firefoxの最新バージョンは「5.0.1」だ。え、Firefox 4は? という人も多いのではないだろうか。今回は、Firefoxの「高速リリースサイクル」をチェックし、今後も使い続けていく上での注意点を紹介しよう。
1ヵ月半~2ヵ月でバージョンアップを繰り返すFirefox
Firefox 3は2008年に公開され、2年以上も小さなバージョンアップを繰り返してきた。大量のアドオンが有志によって作成され、ウェブブラウザーのヘビーユーザーから多大な人気を集めていた。2011年3月22日、満を持してFirefox 4が公開されたのだが、なんとFirefox 5が2ヵ月後の6月22日に公開された。
相次ぐバージョンアップは、Mozillaの新施策である「高速リリースサイクル」によるものだ。従来、3.5のような小数点で表していたバージョンを整数で増やしていくのだ。Mozillaによると、小数点でのバージョンアップではわかりにくいから、というのが理由だという。しかし、これは明らかにライバルのバージョンを意識している。Internet Explorerは「9」、Google Chromeは「12」なので、「3」や「4」では遅れを取っていると思われることを懸念したのだろう。
InternetExplorerは16年に渡って進化して、やっと「9」にたどり着いた。かたやGoogle Chromeは2008年に登場したが、バージョンを前面に出していない。バージョンアップもバックグラウンドで自動処理されるので、バージョンを把握していない人も多いだろう。そんな中、Firefoxが実施した高速リリースサイクルは不評だ。体裁だけ繕う施策に、古くからのファンは不満を募らせているうえ、法人利用にも影響が出ている。
3月に登場したFirefox 4だが、すでにサポートが打ち切られているのだ。2010年1月に公開されたFirefox 3.6のサポートは2011年9月まで提供されるのにかかわらずだ。ウェブサービスやブラウザーで動作するアプリを提供している企業や、自社でFirefoxを採用している企業は対応に追われている。しかも、今後もこのサイクルは続くのだ。
「Firefox 6」は8月16日に公開予定。「Firefox 7」は9月27日に公開予定という、超過密スケジュール。Mozillaは、ソフトウェアの開発状況に応じて、開発段階の「ナイトリー」、上級者向けの「オーロラ」、一般ユーザーでも利用できる「ベータ」といった3段階のステータスを用意している。現在、Firefox 6はベータ、Firefox 7はオーロラが公開されている。さらに、Firefox 8のナイトリーもある。6週間サイクルが続くなら、11月8日にFirefox 8がお目見えすることになるだろう。もしかしたら、12月下旬にFirefox 9が公開される可能性もあるのだ。
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