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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第60回

UPSで停電でもPCを安全にシャットダウンさせる技

2011年04月12日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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LANやネット回線も保護する
RS 400VA

APCの「RS 400VA」。重さは約7.05kg。サイズは幅91×奥行き310×高さ190mm

 UPSは単なる停電時だけでなく、雷が周囲に落ちた場合に生じる「サージ電流」を防ぐ保護回路も持っている。落雷によって瞬間的に大きな電流が流れ込むと、精密機械であるパソコンは故障することがある。そんな時でも保護回路を備えるUPSを利用していると安心だ。前出のBY35Sももちろん、サージ保護機能を備えている。しかしサージ電流は、電話回線やEthernetのケーブル経由で入ってくることがある。

 APCの「RS 400VA」(BR400G-JP)は、電源コンセントだけでなくアナログ電話回線やADSL、Ethernetなどの回線を保護するポートも備えているのが特徴の製品である。バックアップコンセントを3つ備えるほか、サージ保護コンセントを別に3つ搭載しているのも便利だ。

背面には6つのコンセントのほか、回線保護端子を備える

 サージ保護コンセントには外付けの光学ドライブやプリンターなど、「停電時には利用しないが、サージ保護はしたい」機器を接続するのに役立つ。また、マスタ連動コンセントも利用できる。パソコンをマスタコンセントにつなぐと、ほかのコンセントはパソコンと連動して、電源のオン/オフを切り替えられるのも見逃せない。

液晶パネルの表示で、バッテリー残量や予想稼働時間を確認できる

 直販価格は1万7850円と手頃ながら、出力は240W/400VAとハイパワーなのも特徴だ。ただし出力は「矩形波」となる。UPSの出力波形には矩形波と「正弦波」がある。矩形波を採用しているUPSの場合、パソコン側の電源ユニットによっては相性で動作しないケースがある。

 とはいえ、短時間の利用ならほとんどの場合、矩形波タイプでも問題はない。APCによると、1~2ヵ月に1件ほど矩形波とパソコンの電源ユニットに関する相性についての問い合わせがあるそうだ。どうしても心配なら、電源ユニットやパソコンの製造メーカーに問い合わせるか、正弦波タイプのUPSを選べばいいだろう。ただし、正弦波タイプは矩形波タイプより価格が高めの傾向にある。

 BY35Sと同様に、バックアップコンセントにパソコンとディスプレーを接続した状態でUPSの電源ケーブルを抜くと、ビープ音が鳴り出した。数秒間隔で鳴る音がとても大きい。特に13分を過ぎたあたりからは鳴りっぱなしになるので、かなり騒々しい。音を消したい場合は、ミュートボタンを長押しすると消える。音を鳴らさない設定もできるので、自宅や静かなオフィスでの利用も問題なし。なお試用機の場合、満充電から16分30秒でバッテリーが切れた。

停電時の警報音はかなり大きいが、ミュートボタンで消せる

 RS 400VAもUSBでパソコンと接続して、UPS電源管理ソフト「PowerChute Personal Edition」をインストールすれば、停電時の自動シャットダウンを設定できる。バッテリーは小型シール鉛蓄電池で、90%までの充電時間は約12時間。バッテリーの期待寿命は4年で、交換用バッテリーパック「APCRBC122J」は8000円前後で販売されている。

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