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映像が綺麗なだけでなく、手軽にビデオ作品の制作にも挑戦できる!

プロ向けCMOS投入! キヤノン「iVIS HF M41」の実力

2011年03月30日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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ただ再生するだけでも
いい感じの作品として見られる

撮影した動画リスト。通常は日付別の表示となるが、メニューからライブラリーを選択すると、シナリオシーン別に動画を分類して表示することが可能

撮影した動画リスト。通常は日付別の表示となるが、メニューからライブラリーを選択すると、シナリオシーン別に動画を分類して表示することが可能

撮影画像の表示画面。一時停止やコマ送りなどはすべてタッチパネル操作で行なえる。画面下部には「タッチデコレーション」用のボタンがある

撮影画像の表示画面。一時停止やコマ送りなどはすべてタッチパネル操作で行なえる。画面下部には「タッチデコレーション」用のボタンがある

 撮影した動画は、一般的な日付別表示のほか、シナリオシーンごとに分類表示することも可能。「自動シナリオ順再生」で再生を行なえば、手軽にきちんとストーリーのある作品になる。

 編集機能で再生しながら不要なシーンを削除したり、好みに応じてシーンの再生順を入れ替えるなどして手を加えてあげれば、さらに完成度は増すだろう。

 動画はBGM付きで再生することもでき、シナリオに沿って撮影しているとはいえ、撮りっぱなしの映像でもそれなりに見られる動画になる。

「タッチデコレーション」の画面。左から、手描き/アニメーション効果/日付表示/ミックス画合成/プレビュー再生/表示位置調整となる

「タッチデコレーション」の画面。左から、手描き/アニメーション効果/日付表示/ミックス画合成/プレビュー再生/表示位置調整となる

手描きツールでは、ペンの形状や色の選択などが可能。ちょっとした画像加工ソフトのような感覚だ

手描きツールでは、ペンの形状や色の選択などが可能。ちょっとした画像加工ソフトのような感覚だ

手描きツールで絵などを書き込めば、より親しみやすいイメージになる

手描きツールで絵などを書き込めば、より親しみやすいイメージになる

日付表示は、日付と時間の表示を個別に選択可能。透過合成/白文字/黒文字が選べる

日付表示は、日付と時間の表示を個別に選択可能。透過合成/白文字/黒文字が選べる

アニメーション効果は8種類。カラフルなボールが回転したり、星が降ったりとさまざまな効果が用意されている

アニメーション効果は8種類。カラフルなボールが回転したり、星が降ったりとさまざまな効果が用意されている

フキダシなどのさまざまなフレームが用意されたミックス画選択。ここで選択したフレームに、手書きで文字を加えることも可能

フキダシなどのさまざまなフレームが用意されたミックス画選択。ここで選択したフレームに、手書きで文字を加えることも可能

 さらに、撮影した動画に手軽に手描き文字や日付を入れられる「タッチデコレーション」機能も備える。これは、付属のスタイラスペンなどで画面に直接手描きで文字を加えたり、プリセットされたアニメーション効果やフレームやフキダシの合成などを行なえるもの。この機能は撮影時に使うこともできるのだが、現場では作業が繁雑になるので、撮影後の再生画像に加工するほうが使いやすいだろう。

 こうした機能は、パソコンが当たり前に普及した現在では、すべてパソコンの動画編集ソフトにおまかせで、ビデオカメラ側に内蔵した例はあまりない。しかもここまで充実した機能を盛り込んだのは本機が初めてではないだろうか。

 これならば、パソコンなしでちょっとした作品づくりができてしまうと言っていい。ビデオ編集をわかっている人なら、撮影シーンのトリミングができないのは物足りないと感じるかもしれないし、実際の撮影ではちょっと長めに撮っておいて後で短くトリミングするのも基本テクニックではある。だが、そこまで考えて撮影するのは気軽ではないし、トリミング作業もカット数が増えると大変だ。

ビデオスナップ記録時間の設定。2/4/8秒の選択ができ、シナリオモードとの連動も可能だ

ビデオスナップ記録時間の設定。2/4/8秒の選択ができ、シナリオモードとの連動も可能だ

 その点で、本機にはもうひとつ便利な機能がある。それが「ビデオスナップ」機能。2/4/8秒の設定した時間になると自動で撮影が停止する。静止画を撮るような感覚で、短時間に動画を手軽に撮れる機能だ。

 これもシナリオモードと連動させることができ、ダラダラと続く退屈なシーンが増えてしまうことを防止できる。

初心者からビデオ撮影好きまで
十分満足できる1台

 シナリオモードやビデオスナップ機能は、さまざまなノウハウに基づいて盛り込まれた機能である。シナリオモードなどの動画作品作りのためのガイド機能は、初心者にとっては大変ありがたいし、子供でも喜んで撮影を楽しめる機能と言えるだろう。しかも、割とビデオ撮影が好きな大人やマニアにとっても感心させられる部分は多い。

 三脚やライトといった機材を持ち合わせていなくても、強力な手ブレ補正やHD CMOS PROなどのおかげで、よりきれいな映像が撮れる。気軽に撮影が行なえるのも魅力だ。

 撮影した動画は、やはり誰かに見てもらいたいものだが、気ままに撮っただけの映像を延々と見せられるのは、正直なところ苦痛だ。せっかく作ったのに誰にも喜んでもらえないと、作品を作る意欲もなくなってしまう。

 だからこそ、これだけ簡単に他人の視聴に耐える作品を作れる機能は画期的だと思う。これでビデオ作品づくりの魅力に目覚めて、パソコンでの本格的な作品づくりに挑戦する人もいるだろう。

 今や、動画投稿サイトなど、気軽に作品を発表できる機会は増えているので、こうした手軽なビデオ編集機能は実に面白い機能と言える。

 トータルで言えば、作品づくりのガイドをはじめとする便利な撮影機能の充実に加え、画質・音質面でも高い性能を備えており、手軽にビデオ撮影を楽しみたい人にとってはかなりの満足感が得られる製品に仕上がっていると感じた。

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