「HD Tune Pro 4.6.0」によるベンチマーク
次に「HD Tune Pro 4.6.0」を使ったより詳細な性能を確認していこう。“Benchmarkテスト”ではSSD全体を通した性能を、“Random Access”ではファイルサイズごとに、1秒間にどれだけのファイルを処理できるかの目安となるIOPS(I/O PerSecond)が確認できる。また、“File Benchmark”では転送サイズによって転送速度がどのように変化するかを確認することができる。
「SSDSC2MH250A2C」(250GB)
「SSDSC2MH120A2C」(120GB)
「SSDSA2MH160G2C1」(160GB)
Benchmark Read/Writeの結果を見ると「SSDSC2MH250A2C」、「SSDSC2MH120A2C」ともフラットなグラフとなっており、データ転送についてはSSD全体で安定している。またFile Benchの結果も良好で、8192Kでは公称値に近い転送速度を記録している。
次にRandom Accessの結果を確認してみると、特にランダムリードが苦手のようで、「X25-M」と比較すると最大で5倍近い差をつけられている。WriteについてはSSDSC2MH250A2Cで約1.4倍、SSDSC2MH120A2Cで約1.7倍と、Readの結果よりは差が縮まっているものの、X25-Mシリーズに比べるとランダムアクセスを苦手としていることがこの結果からもわかる。
「ATTO Disk Benchmark 2.46」によるベンチマーク
最後に「ATTO Disk Benchmark 2.46」でも計測してみることにした。こちらは転送サイズごとにベンチマークを測定し、最も効率のいい転送サイズと最大転送速度を計測できる。
SSDSC2MH250A2Cのリード性能は公称値を超える514MB/sを記録、ライト性能も340MB/sを超えるなど高い結果となった。また、SSDSC2MH120A2Cもリードで460MB/s、ライト220MB/sを計測しており、シーケンシャルアクセスについては間違いなく現状では最高峰の性能を持っている。
非常に高いシーケンシャル性能
今後はランダム性能の向上に期待したい
接続するコントローラを選ぶものの、SATA3.0(6Gbps)に対応したことでシーケンシャル性能は既存の「X25-M」から大幅に向上している。さらに、Intel 6シリーズチップセットでバリデーションが行なわれていることから、これらを採用するマザーボードで使う場合の安定動作にも大いに期待がもてる。不具合修正版となるB3リビジョン採用モデルの登場を待って、これから第2世代Core iシリーズでPCを組もうと思っているのなら、システム用のドライブとしては有望な選択肢と言えるだろう。
また、価格も250GBモデルで5万5000円前後、120GBモデルで2万6000円前後と、競合するPLEXTOR「PX-M2S」や、Corsair「Performance 3」シリーズと同等となっている。SATA3.0対応SSDとしてのコストパフォーマンスも特別問題はない。
ただし、X25-Mの特徴でもあったランダムアクセスのパフォーマンスが低下している点は気になるところ。OSの起動などはランダムアクセスが重要となるため、ランダム性能を重視するなら、ひとまず価格もこなれてきた「X25-M」をあえて選択するのもありかとも思う。いずれにせよ、今後はシーケンシャル性能だけでなく、ランダム性能も向上したモデルの登場にも期待したい。

この連載の記事
-
第473回
デジタル
Ryzen 7 9800X3Dと9700Xはどっちが良いの?! WQHDゲーミングに最適なRadeon RX 9060 XT搭載PCの最強CPUはこれだ! -
第472回
sponsored
触ってわかった! Radeon RX 9070 XT最新ドライバーでFPSゲームが爆速&高画質に進化、ストレスフリーな快適体験へ -
第471回
デジタル
8TBの大容量に爆速性能! Samsung「9100 PRO 8TB」で圧倒的なデータ処理能力を体感 -
第470回
デジタル
HEDTの王者Ryzen Threadripper 9980X/9970X、ついにゲーミング性能も大幅進化 -
第469回
デジタル
ワットパフォーマンスの大幅改善でHEDTの王者が完全体に、Zen 5世代CPU「Ryzen Threadripper 9000」シリーズをレビュー -
第467回
デジタル
Radeon RX 9060 XT 16GB、コスパの一点突破でRTX 5060 Tiに勝つ -
第466回
デジタル
Radeon RX 9060 XTは6.5万円でVRAM 16GBのお値打ちGPUになれたか? -
第465回
デジタル
遅れてやってきたPCIe5.0 SSDの大本命、リード14GB/秒超えのSamsung「9100 PRO」を実機レビュー -
第464回
デジタル
Radeon RX 9070シリーズの仕上がりは想像以上だったことがゲームベンチでわかった -
第463回
デジタル
Ryzen 9 9950X3Dは順当進化。3D V-Cache搭載Ryzenの最強モデルだがクセありな部分はそのまま -
第462回
デジタル
RTX 5070の足を止めた「Radeon RX 9070 XT/ 9070」レビュー - この連載の一覧へ











