プランA
H67を使いつつゲーミングPCとしても利用可能に
まずプランAの構成として特徴的なのは、H67チップセットでありながら、ゲーミングPCとしてのスペックも満たす点だ。CPUは、H67と組み合わせるということで、よりVGA機能に優れた「Core i5-2500K」を選択。“K”型番の特徴ひとつである倍率ロックフリーによるオーバークロックを十分に発揮できないと言う点では少々もったいない気もするが、動画のハードウェアエンコードもこなすという点がH67の魅力。もちろん1000円ほど安い「i5-2500」を選択してもかまわないのだが、たったの1000円ということを考えると前回の「Core i5-2300」と「Core i5-2400」同様(こちらは500円差だったが)、あまり迷うところではない。
プランA「Micro ATX構成」 | ||
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CPU | Intel「Core i5-2500K」 | 約2万円 |
マザーボード | ASUS「P8H67-M PRO」 | 約1万4000円 |
メモリー | DDR3-1333 4GB×2枚セット(バルク) | 約6000円 |
ストレージ | WesternDigital「WD20EARS」(2TB) | 約6500円 |
光学ドライブ | LG「BH10NS30」 | 約1万1500円 |
ビデオカード | Radeon HD 6850 | 約2万円 |
電源 | Enhance「EPS-1270(P)」(700W) | 約1万2000円 |
PCケース | InWin「IW-BR661」 | 約8000円 |
合計金額 | 約9万8000円 |
予算制限が10万円となったことで、かなり“いまどきのPCらしく?”なってきた今回のモデル。ほぼ余裕のない約9万8000円での構成となるが、それなりに贅沢な作りとなっているのがお分かりだろう。
マザーボード
マザーボードにはH67チップセット搭載のASUSTeK製「P8H67-M PRO」を選んだ。理由は、Micro ATXフォームファクタでありながらPCI Express x16スロットが2本用意されていて、ビデオカード複数枚差しのCrossFire Xにも対応しているから。かつ、標準ではサポートされないPCIスロットも2本装備している。その他、ASMedia製コントローラ採用のUSB3.0×2なども備えているほか、I/O部のVGA出力には、HDMI/DVI-D/D-subの3系統が用意されており、様々な環境に対応可能となる。
もちろん、候補となるモデルはこれだけではない。今回はマザーボードの予算に1万4000円を割いているが、この価格帯なら実に多様なモデルから選択が可能だ。価格を目安に好みのモデルを探すのもいいだろう。
また、H67チップセットにはインテル「Quick Sync Video」機能が実装されている。これは動画のハードウェアデコードとハードウェアエンコードを実現するもので、動画変換の処理時間が飛躍的に短くなる。内蔵グラフィック機能を持たないP67チップセットには搭載されていない機能なだけに、これもH67チップセット搭載マザーを選んだひとつの要因となっている。
メモリ/ストレージ
予算に余裕ができたことから、まずメモリは8GBを確保したい。ここは、さくっと迷わずDDR3-1333 4GB×2枚セットを購入しておこう。
問題となるのがストレージ。実はプランA、後述するプランBともに、SSDを導入するべきかどうかで非常に迷ったのだが、採用は見送った。意外に他のパーツ類で予算がかさんでしまったというのが主な原因だが、少し格好をつけた言い方をすると「SATA3.0にこだわりたい」というのも理由のひとつだ。
早い話が「せっかくSATA3.0があるのだから、SSDはSATA3.0対応のCrucial製RealSSD C300シリーズじゃなければイヤだ!」ということ。よってSSDの採用は、次回の15万円コースに譲るとして、ここは至極まっとうに激安モデルとして人気のWesternDigital製3.5インチHDD「WD20EARS」(2TB)をチョイスした。
光学ドライブ
光学ドライブには、少し背伸びをしてBlu-ray読み書き対応のLGエレクトロニクス製「BH10NS30」を選んだ。「ミドルレンジ向けPC」である以上、読み込み専用でもOKかと思ったのが、スペック表を眺めて読み書き対応を選択した次第。無駄になるものでもないので、ここは思い切ってBlu-rayデビューといきたい。
ビデオカード
ビデオカードには「Radeon HD 6850」搭載の製品を選んだ。割り当てた予算枠が約2万円ということで、このGPUを選択したわけだが、もちろんここにGeForceを始めとした他のGPUをもってきてもいい。いずれにせよ、ミドルレンジクラスのビデオカードを採用することで、いわゆるゲーミングマシンとしての役割も果たしてくれることになる。
ケース/電源
プランA最後のパーツとなるケース/電源部門。そもそも、なぜマザーボードにMicro ATXフォームファクタを選択したのかという点まで遡らねばならないが、それはPCケースにInWin製の「IW-BR661」をチョイスしたかったからだ。昨年開催された「COMPUTEX TAIPEI 2010」の同社ブースでは、一番目立つ特等席に「Dragon Slayer」という名前で展示されていたのを見て以来、非常に気になっていたケースだった。と、まぁ非常に筆者個人の意見が反映されているのだが、ここでは裏を返せばユーザー皆さんが気に入ったケースを選択しましょうということ。
「IW-BR661」が、おあつらえ向きに販売価格も約8000円と、ギミックの割には非常にリーズナブルというのも選択した大きな理由なのだが、電源ユニットと合わせて予算配分を決定していきたい。
その電源ユニットだが、数ある中からあえてEnhance「EPS-1270(P)」(700W)を選択した。省電力規格の80PLUS SILVER認証を受けたハイエンド電源ユニットでありながら、価格は約1万2000円とリーズナブル。安定した電力供給は、パソコンを動かすうえで妥協できない重要なポイント。電源は価格優先では選びたくないカテゴリーであるため、あえて同モデルを候補に挙げさせてもらった。
(次ページへ続く)
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