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Sandy Bridgeで組む予算別オススメパーツ構成 第1回

5万円で組むSandy Bridge自作PC

2011年02月02日 12時00分更新

文● 山県

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プランA
H67採用のMicro ATX専用モデル

 5万円という予算制限枠の中ではギリギリの構成ながら、下の表にあるスペックはおそらく十分実現可能だ。CPUにはクロック周波数で3.0GHzの大台に乗っている「Core i5-2400」を選択。逆にこの場面で、実売価格で500円程度の差しかない下位モデルの「i5-2300」を選択する理由は見当たらない。
 迷うとすればTDP65W版の「Core i5-2400S」の存在だが、Micro ATXを前提としたシステムならば、ATX電源が使えるので電源容量を気にする必要もない。わざわざクロックの低い低消費電力のCPUを選ぶ理由もないというのが正直なところだ。

プランA「Micro ATX構成」
CPU Intel「Core i5-2400」 約1万7000円
マザーボード FOXCONN「H67M-S」 約9800円
メモリー DDR3-1333 2GBx2枚セット(バルク) 約3500円
ストレージ HGST「0S02600」(500GB) 約3500円
光学ドライブ DVDスーパーマルチ 約2000円
電源 サイズ「剛力3」(500W) 約6000円
PCケース GIGABYTE「GZ-X1SPD-100」 約5000円
合計金額   約4万7000円

 予算制限の5万円以内に収まったプランAのモデルは、ケースと電源を好みの物に変更することで、他パーツの充実も図れる。余った3000円の用途はあえてこちらで提示せず、皆さんにお任せといきたいが、筆者なら迷わずメモリ増設に投資する。

クロック周波数3.0GHz、ターボ・ブースト時最大周波数は3.4GHzとなる「Core i5-2400」。「i5-2300」との価格差が僅かなために、ハッキリ言って迷う余地はない。むしろ「i5-2300」の存在理由すら疑いたくなる

マザーボード

 マザーボードはFOXCONN製の「H67M-S」を選択した。Micro ATXフォームファクタながらPCI-Express x16スロットはもちろん、2本のPCIスロットを備え拡張性が高い。またH67チップセット標準サポートのSATA3.0はもとより、ルネサステクノロジー製のコントローラーチップによるUSB3.0が2ポート用意されている点が重要だったりする。もちろん1万円でおつりの出るコストパフォーマンスの高さがポイントとなっているのは言うまでもない。
 同価格帯での候補としては、ASRock製の「H67M」があるが、こちらはメモリスロットが2本しかないうえ、USB3.0コントローラーがルネサステクノロジー製ではなくEtronTech製なのが残念。ルネサスはUSB3.0コントローラに定評があるメーカーで、USBの規格策定にも携わっている。
 また8000円程度で購入可能なJETWAY製の「MIH67M-HU3」は、コスト的に優秀ながらUSB3.0コントローラーがASMedia製で1ポートのみとなる点が気になった。

今回、候補に挙げた3モデル。写真左からFOXCONN製の「H67M-S」、ASRock製の「H67M」、JETWAY製の「MIH67M-HU3」。いずれも1万円でおつりの出るコストパフォーマンスの高さがポイントだが、細かいところで気になる違いがいくつかある

メモリ/ストレージ

 メモリとストレージに関しては、5万円という厳しい予算のしわ寄せが出た。まずメモリがDDR3-1333対応の2GB×2枚セットとなった点。合計4GBとなるため及第点と言えなくもないが、やはり64bit版のOS導入時のことを考えると8GB以上は欲しいところ。なにより現在はメモリが非常に安いため、予算に余裕があれば真っ先に改善したいポイントである。
 もうひとつ、今時HDDの容量が500GBというのも少々寂しい。もう3000円も出せば2TBモデルが楽々と入手できるだけに残念でならないが、用途を限定すればそれほど悲観することもないかもしれない。ちなみに、流行りのSSD搭載を希望するには5万円という予算はあまりに低い。ここはきっぱりと諦めよう。

急激な低価格化がすすむHDD市場。かつてのようにHDD容量と予算を天秤にかける光景は見なくなりつつあるが、さすがに予算5万円となると話は別。それでも500GBモデルが3000円台で購入できることに感謝しながら、なんとなくSSDが気になるところでもある

光学ドライブ

 光学ドライブに関しては簡単だ。DVDスーパーマルチで満足するのか、やはりここはBlu-ray読み込み対応製品を用意するのか、である(この予算では、Blu-ray書き込みに対応した製品は無理だろう)。以下で解説するケース/電源編での予算のかけ方にもよるのだが、場合によっては5000円前後で販売されているBlu-ray読み込み対応モデルを選択することも十分可能である。ここは用途に合わせた構成にしよう。

今やリテールパッケージ版でも2000円以下で手に入るDVDスーパーマルチドライブ。OSやソフトのインストールなどに必要なパーツなので、とりあえず搭載していればよしと割り切ってしまおう

ケース/電源

 予算制限付きながら、ある意味一番自由度の高いカテゴリーがケース/電源部門である。今回提示したパターンAでは、GIGABYTE製の「GZ-X1SPD-100」(約5000円)を選んでみた。ただ、500W電源付きで8000円~1万円クラスの製品も多く、また電源非搭載ながら2000円で買えてしまうPCケースもある。

今回選んだGIGABYTE製の「GZ-X1SPD-100」(約5000円)。Micro ATXマザーを選択しているが、ケース自体はATX対応で将来的なアップグレードにも対応可能。この価格帯のケースとしては秀逸な出来のためオススメだ

5万円の予算制限ながら、しっかりと80PLUS BRONZE認証モデルをチョイスしている点がポイント。パーツ類の中でも非常に重要なユニットだけに、信頼性に投資するのは決して無駄ではない。金額も500Wクラスの製品(写真は600W)であれば約6000円で購入可能となる

 総予算の20%に当たる約1万円をケース/電源へ投資した格好だが、それでも約3000円ほど余る計算だ。前述のようにメモリを4GBから8GBに増量したり、DVDスーパーマルチをBlu-ray読み込み対応製品に変更するなど、他パーツのアップグレードに回して、より内部のスペックを充実させるというのもいいだろう。

安いものでは2000円台から販売されているモデルも多数あるPCケース。電源付きながら6000円~8000円で販売されているケースも多く、まさに安く組みたいユーザーにとっては渡りに船のモデルとなっている。ここで予算を抑えて、内部パーツの充実に回すと言うのもアリだ

(次ページへ続く)

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