柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第48回

自宅に居ながらにしてレンタルDVDを楽しみまくる技

大量に借りるなら複数サービスを契約する

　今回紹介しているオンラインDVDレンタルは、月額固定で料金が発生するので、コースの選択は慎重にしたい。例えばTSUTAYA DISCASなら、月に4、8、16、24枚借りられるコースが用意されている。「定額レンタル4」と「定額レンタル8」は一度に2枚、「定額レンタル16」は2枚×2つの封筒で4枚、「定額レンタル24」は2枚×3つの封筒で6枚が一度に届く。

　一度にひとつの封筒しか届かないコースだと、返却してから次のDVDが届くまで日にちが開いてしまう。それが嫌なら、ひとつの封筒に1枚だけ入れて送ってくれるプレミアムプランも用意されている。上位コースなら複数の封筒でやりとりできるうえ、1本当たりの単価も割安になるのがポイントだ。

TSUTAYA DISCASの料金プラン

　DMM.comの場合は、クレジット決済プランは4、8、12枚に加えて、「借り放題」コースを用意しているのが面白い。「借りやすさ」が「5」の作品のみに限定され、日曜日の商品発送や「必ず借りられるキャンペーン」などの特典はないものの、返却すればするだけ、次の作品をどんどん発送してくれる。

　DMM.comで封筒を増やす場合は、そのコースをダブル、トリプルで契約する。例えば「ベーシック4」のダブルパックなら、封筒が2つで合計8枚まで借りられる仕組みだ。

DMM.comの料金プラン

　両社ともに、月に8枚借りられるプランをお試しコースに設定している。TSUTAYA DISCASの「定額レンタル8」は1958円、DMM.comの「ベーシック8」は1890円とほぼ同じ価格帯だ。封筒を2つにするとTSUTAYA DISCASは2348円、DMM.comは1960円とやや差が付く。週に1～2回映画を観る人なら、4枚コースか8枚コースを選べばいいだろう。常に手元に観ていないDVDを置いておきたいなら、プレミアムパックもしくはダブルパックを契約すればいい。

　筆者のように大量に観る映画ファンの場合、上位コースに目が行きがちだ。TSUTAYA DISCASの「定額レンタル24」なら24枚、DMM.comの「ベーシック12：トリプルパック」なら36枚まで借りられる。借り放題コースもある。しかし、しばらく使うとわかるが、実は特定のサービスだけだと不満を感じることがある。

　例えば、予約した特定のタイトルがいつまでたっても届かないことがある。そんな時に、他社のサービスを使うと翌日届く、ということもよくあるのだ。これはどのサービスにも言えること。ネット上でのユーザーの感想を調べてみると、「TSUTAYA DISCASではらちがあかないのでDMM.comにしたらすぐに来た」という意見と、「DMM.comではらちがあかないのでTSUTAYA DISCASにしたらすぐに来た」という意見の両方がある。どっちもどっちなわけだ。

　また、ひとつのサービスでひとつの封筒を、月に6回以上往復させるのは難しい。特に配送に時間がかかる地方に住んでいる人なら、月4回の往復でもぎりぎりだ。借りられなかった枚数を翌月に繰り越すサービスもあるが、それでも封筒が増えない限りは、使い切るのが難しい。「たくさん見るから」と言っても、単純に枚数の多いサービスに契約すればいいというわけではないのだ。

　お勧めなのは、複数のオンラインDVDレンタルサービスを同時に利用することだ。お互いのサービスが得意な作品を借りればいい。人気のタイトルは両方で登録し、どちらかが発送されたら、もう一方をキャンセルするといった使い方も可能だ。TSUTAYA DISCASの「定額レンタル16」は3854円、DMM.comの「ベーシック4：トリプルパック」は2940円で、合計6794円。これで月当たり28枚のレンタルが可能となる。1枚当たりの単価にすると242円と格安だ。しかも、5枚の封筒が手元にあるので、ローテーションするのも簡単になる。

　デメリットは、異なるサービスを利用するので、予約リストや履歴の管理が面倒な点だろう。誤って同じ作品を両方で借りてしまい、日数を無駄にしてしまうこともある。とはいえ、筆者は観ていない作品をチェックして、ウィッシュリストに入っているのを眺めるのが好きなので、この作業は負担にならない。両社で4枚コースを契約すれば、1980円で封筒を2つ利用できるので、8枚コースの人も検討する価値はあるだろう。

　レンタルDVD店では借りないような優先順位の低いタイトルが届くこともあるが、そんな時ほど意外な「いい映画」と出会えるもの。オンラインDVDレンタルサービスを活用して、映画を観まくろう。

■関連サイト

• DMM.com オンラインDVDレンタル
• TSUTAYA DISCAS

筆者紹介─柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスパソコンテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」（技術評論社）、「Linkedln人脈活用術」(東洋経済新報社、共著)。