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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第45回

小型パソコンを活用してメインマシンを快適に使う技

2010年12月21日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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セカンドマシンにインストールするソフトと運用術

 設置とリモート接続設定が済んだら、アプリのセットアップに入ろう。まずDropboxやSugarSyncのようなフォルダ同期型のクラウドサービスは、セカンドマシンにインストールしよう。メインマシンにはアプリをインストールせずに、ネットワーク経由で対象のフォルダーにアクセスすればいい。LANがGigabit Ethernetなら大容量データのやりとりも高速だし、動画や音楽のストリーミング再生も問題ない。クラウドと同期しているフォルダーで、大容量ファイルを頻繁に書き換えることはないだろうから、LAN経由で十分だ。

「ネットワークドライブの割り当て」で共有フォルダーを指定する

エクスプローラーを開き、「ネットワークドライブの割り当て」で共有フォルダーを指定する

セカンドマシンの共有フォルダーにアクセスできる

メインマシンのエクスプローラーから、セカンドマシンの共有フォルダーにアクセスできるようになる

 スピーカーやヘッドセットをセカンドマシンにつないで、BGM用のメディアプレーヤーやネットラジオ、Skypeなどの通話ソフトをインストールしてもいい。また、Windowsのリモートデスクトップ接続を使っているなら、メインマシンのスピーカーやマイクを利用して、セカンドマシンで音楽再生やボイスチャットもできる。

セカンドマシンの再生と音声入力をメインマシンの機器を使うように設定する

セカンドマシンの再生と音声入力を、メインマシンの機器を使うように設定する

セカンドマシンをメディアサーバーにしよう

 パソコンをDLNAサーバーやメディアサーバーとして使うなら、セカンドマシンを活用したい。メインマシンをメディアサーバーにする場合、例えば家族がほかのパソコンやPS3、iPhoneからサーバー内の動画や音楽を再生しようとすると、当然ながらメインマシンのパフォーマンスが落ちてしまう。セカンドマシンを使う場合は、対象のメディアファイルをセカンドマシン側に保存する必要があるが、その分メインマシンの負担が減らせる。

 音楽ファイルが大量にあるなら、動作が重いiTunesをセカンドマシンにインストールする手もある。iPhoneやiPadの同期に時間がかかる場合も、セカンドマシンでバックグラウンド処理しているなら気にならない。

同期に時間がかかるiTunesはセカンドマシンへ

同期に時間がかかるiTunesはセカンドマシンへ

 外出先から自宅のパソコンにアクセスできるようにしておくと、いざというときに便利だ(関連記事)。しかしパスワードで保護されているとはいえ、外からの接続にはセキュリティー面の不安を感じる人もいるだろう。そんな時は、セカンドマシンに接続するように設定しておけば、万一の時でもメインマシンを守ることができる。

 セカンドマシンに接続するのがWindowsだけというなら、リモートデスクトップでも十分だが、「iPhone/iPadでも接続したい」というなら、フリーのサーバーソフトを導入しておこう。今回の本題ではないので詳細は割愛するが、詳しくはこちらの記事を参照していただきたい。

VNCサーバーソフトと接続ソフトをインストール

iPhone用リモート接続ソフト「iTeleport: Jaadu VNC for iPhone / iPad」でセカンドマシンにアクセスするために、VNCサーバーソフト「UltraVNC」と接続ソフトをインストール

 手持ちの動画ライブラリをスマートフォン用に変換したり、音楽CDをロスレス形式でリッピングし直すなどの作業もセカンドマシンに任せると楽だ。また、ドキュメントスキャナーでの取り込み作業も、セカンドマシンでやるのがお勧めだ。スキャン用常駐ソフトを移行できるだけでなく、スキャン後のOCR処理も分担できるためだ。メインマシンでスキャンしたファイルを利用する場合は、セカンドマシンの保存フォルダーを決めておき、ネットワーク共有でアクセスすればいい。

スケジューラーの同期もセカンドマシンで

Googleのサービスを利用して、スケジューラーの同期もセカンドマシンで行なう

 特殊な使い方となるが、筆者はレビューのために、複数のグループウェアやスケジューラーを同時に利用している。そのため、OutlookやGoogleカレンダーと同期するアプリケーションもたくさんある。こうしたアプリも、やはりセカンドマシンにまかせたい。普段のスケジュールやタスクの入力は、ウェブブラウザー経由でGoogleカレンダーを利用すればいい。

 紹介した事例以外にも、バックグラウンドで動作するソフトや時間がかかる処理はセカンドマシンに任せてみよう。メインマシンがすっきりすれば、起動・終了時間はもちろん、通常の処理も速くなる。存分にクリエイティブな作業に集中できるだろう。セカンドマシンに投資する価値は高い。


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。現在使っているノートパソコンは、東芝のSS RXとMac。とはいえ、1年以上前の製品なので、買い換えを思案中。日経パソコンオンラインで「ビジネスパソコンテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」(技術評論社)、「Linkedln人脈活用術」(東洋経済新報社、共著)。


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