署名付きアプリケーションの作成準備
作成したアプリケーションをAndroidマーケットに登録するには、署名付きのインストールパッケージを作り、これを先ほどの「デベロッパーコンソール」から登録します。この署名付きインストールパッケージにはいくつか条件があり、その条件をクリアするにはEclipseのプロジェクトにあるAndroidManifest.xmlを編集する必要があります。
設定すべき項目の最初は「Version code」です。Androidマーケットでは、この番号を元に、前回アップロードしたものより後のバージョンであるかどうかを判定しており、同じバージョンのものを再度アップすることはできません。似たフィールドにVersion nameがありますが、こちらは、マーケットのアプリケーションのページに表示されるバージョン番号になります。
筆者は、Version Nameを「X.Y.Z」のようにしているので、バージョン番号をXYZとしました。たとえば、Version 1.6.3ならば、Version codeを163としています。これからどれだけ長い間メンテナンスを続けるかどうかはわかりませんが、YとZは、各1桁としておけば、Xがいくつになっても対応関係は保たれます。
次に「Min SDK version」の指定を確認します。SDK versionとありますが、実際にはAPIレベルを指定します。これは開発時に指定した動作可能な最低のAPIレベルを意味します。
Platform Version | API Level |
---|---|
Android 2.2 | 8 |
Android 2.1 | 7 |
Android 2.0.1 | 6 |
Android 2.0 | 5 |
Android 1.6 | 4 |
Android 1.5 | 3 |
Android 1.1 | 2 |
Android 1.0 | 1 |
このほかに「Target SDK version」、「Max SDK version」があります。「Target SDK version」は、このアプリケーションが開発されたときにテストや評価などを行ない、主に利用してほしいAPIレベルを指定します。というのも開発時にエミュレータを使う方法では、APIレベル1から開発が可能ですが、実機でのテストは機材の関係などもあり、必ずしも低いレベルで完全にできるわけではありません。そこで主に利用してほしい最低限のAPIレベルを指定しておき、仕様上の最低APIレベルを「Min SDK version」で指定します。
なお、「Max SDK verison」については、グーグルのドキュメントに指定することを推奨しないとあるので何も指定しないでおきます。ちなみに「Target SDK version」、「Max SDK version」は、APIレベル4からの導入なので、それ以前のプラットフォームでは意味を持ちません。
そのほかApplicationタブにある「debuggable」がfalseまたは空欄になっていること、「enabled」がtrueまたは空欄になっていることを確認します。特にdebuggableがtrueになっていると、アプリケーションをマーケットにアップロードすることができません。
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