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これで作れる! Androidのアプリケーション 第8回

Androidアプリに必要なダイアログを作る

2010年08月20日 12時00分更新

文● 塩田紳二

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Androidのダイアログボックスとは

 Androidには、GUIパーツとしてダイアログボックスがあります。Android自体が用意しているのは、

AlertDialg
PregessDialog
DatePickerDialog
TimePickerDialg

の4つしかありません。このうちDataPickerとTimePickerは、日付と日時を設定するためのダイアログで、ホーム画面からメニューで設定を起動したときの[日付と時刻]で日付や時刻を設定するときに表示されるような専用のダイアログです。このためユーザーのアプリケーションからするとあまり利用頻度は高くないでしょう。

 日付や時刻を設定したいなら、これを使うこともできますが、日付や時刻を設定するためのパーツは、TimePickerウィジェットとしても利用できるため、必ずしもダイアログ形式にする必要もありません。

サンプルで用いているWorldClockでアイテムを長押ししたときのメニュー

 実はすべての基本になっているのは「AlertDialog」で、残りの3つはAlertDialogにウィジェット(DataPicker、TimePicker、ProgressBar)を乗せて作っているにすぎません。つまり、AlertDialogの使い方さえ覚えればいいわけです。

 AlertDialogとは、簡単に言えばタイトルやアイコンのついた独立したウィンドウとして表示されるダイアログボックスです。このAlertDialogは、Activityと同じandroid.appパッケージ内にあります。ダイアログを表示したいActivity内で「showDialog(int id)」を実行します。すると、onCreateDialog(int id)が呼び出されるので、この中でダイアログボックスの表示内容を作ります。onCreateDialgにわたされる整数値idは、showDialogの引数として渡したidなので、このidを元にダイアログボックスを作り分けます。このように1つのアクティビティの中で利用されるダイアログの生成などの処理は1つのonCreateDialogの中で行なわれます。

 次に呼び出されるのはonPrepareDialog(int id,Dialog dialog,Bundle args)で、これはダイアログボックスが表示される直前に呼び出されます。onCreateDialogが呼び出されるのは最初の生成するときの1回のみで、2回目以降、内部状態などにより表示内容を変更するような場合のコードは、onPrepareDialogに記述します。すでに生成が終わっているため、ダイアログ自体を変更するときには、引数として渡されたDialogオブジェクトを操作します。また、ダイアログボックス自体を作り直す場合には、removeDialog(int id)を作り、ダイアログを一旦廃棄して作り直します。

 ダイアログボックスに何を表示するのかは、ユーザーが自由に決めることができます。ボタンやテキストボックスなどを配置したViewを作って渡すこともできるし、あらかじめ用意されているボタンのイベントハンドラを定義して処理することもできます。なお、AlertDialogでは、ダイアログボックスを閉じるボタンとしてPositiveButtonNegativeButtonNeutralButtonが定義されています。通常はこれらのボタンハンドラ(onClick)に終了時の処理やキャンセル時の処理などを記述しておきます。

 ダイアログボックスを使う場合、きちんとキャンセル処理を行なう必要があります。Android用ソフトの中には、キャンセル処理ができず、正しい手順を踏まない限り、アプリケーションが堂々巡りをしてしまうものも見受けられます。アプリケーションは、原則としてダイアログが閉じない限り、他の操作をすることができません。ユーザーはホームボタンで他のアプリケーションに切り替えることはできますが、戻ってくればまたダイアログが表示された状態になるからです。このような場合、システム設定の[アプリケーション]などで強制終了せねばならなくなります。

 キャンセルの処理は、単にダイアログを閉じるだけでなく、ユーザーがキャンセルをしたことを把握して、再度同じダイアログなどを出さないようにしないとなりません。比較的よく見かけるのは、ダイアログボックス上でキャンセルはできるものの、アプリケーション内で、エラーなどを検出して再度同じダイアログを出してしまうものです。アプリケーションはここで正しい入力を必要としていても、ユーザーは、もうこのアプリケーションを止めたいのかもしれません。なので、ダイアログボックスでキャンセルを意味する操作(キャンセルボタンが押されたなど)が行なわれたら、アプリケーションが停止できるような状態にまで戻る必要があります。

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