「Evernote」や「Dropbox」といったクラウドサービスが大人気だ。活用する人は試行錯誤とともに、クラウドの恩恵を受けていることだろう。一方で、「使い方や活用法がよくわからない」とか、「使っては見たが手間がかかるだけ」と運用を止めてしまった人も多い。そこで今回は、あまり難しいことをせずに、さまざまなデータをクラウドで運用する方法を紹介する。
できるだけシンプルに活用するために、
複数のクラウドを活用する
クラウドサービスでデータを運用するメリットは大きい。まず、データを1ヵ所に保存できるので、複数のクライアントで利用する際の運用が簡単だ。従来はそれぞれのパソコンに同じデータをコピーしたり、USBメモリーで持ち運んでいた。だがクラウドは、ネットさえつながっていれば利用できる。
古いファイルで作業してしまい、最新のファイルと整合性がとれなくなってしまうようなこともない。保存しているファイルの検索ができるなら、データベースとしても役立つし、iPhoneやAndroid、Windows Phoneといったスマートフォン用のクライアントも公開されているのもうれしいところ。
しかしクラウドサービスと言っても、さまざまなサービスが提供されている。あれもこれもと手を出すのは管理しきれないのでお勧めできないが、どれかひとつですべてを管理するのも、また無理がある。「すべてを記憶する」と謳っているEvernoteでも、苦手なデータもあるのだ。そこでデータの運用スタイルに合わせて、いくつかのクラウドサービスに絞る必要がある。
また、ビギナーがクラウドの管理を長続きさせるには、やや大雑把にざっくりと運用した方がいい。クラウドの恩恵は、データがある程度溜まり、使用環境に慣れてから享受できる。いきなり全機能を活用しようとしても、面倒になって三日坊主になりがちなのだ。
メールはGmail一択
仕事やプライベートで使うデータは十人十色だが、筆者の環境を例に紹介する。まずはメール。複数の独自ドメインやISPのアカウントを使っており、毎日100~200通をやりとりしている。迷惑メールはその10倍だ。パソコン用メールソフトは「Shuriken 2010」を使っているが(関連記事)、すべてのアカウントを「Gmail」で読み込んでいる。
Gmailなら外出先で過去のPOPメールを閲覧できるだけでなく、10万件近い受信メールの全文検索も数秒で行なえるのが素晴らしい。パソコンならば、どんなに高速なマシンとメールソフトを使っても、数分待たされるところだ。また、バックアップとしても重宝している。今まではメールソフト上で、二重三重に取っていたバックアップの手間がなくなった。
ただし、ちょくちょく迷惑メールや不要なメールは削除しているのだが、すでに使用容量は6GBを突破した。そろそろ、年間5ドルの20GBに増やす必要がありそうだ。メールをやり取りする表向きのアカウントとしてGmailアカウントを使っているわけではないので、新しいアカウントを作って、そちらに移行する手もある。
新しいアカウントに移行する際には、仕事関係など重要なメールだけは取り込んでおくと、古いアカウントを開く回数を減らせる。Outlookを使っているなら、「Google Apps Migration for Microsoft Outlook」といったツールが用意されている。
しかし、Shurikenでは利用できないので、まずは新しいGmailアカウントをIMAP方式で作成してから、コピーしたいメールをメールソフトにドラッグ&ドロップでコピーする。この方法なら、たいていのメールソフトで使えるので覚えておこう。大量のメールだと同期に時間がかかるので、しばらく待つ。
Gmailをざっくり運用するコツは、とにかく普段使っているアカウントを登録して読み込ませてしまうことだ。タグやスターを付けたりするのは、慣れてからでOK。まずは全メールが1ヵ所に保存され、全文検索できる便利さを体感しよう。

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