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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第2回

大量のメールを確実にさばけ メール管理を見直す技

2010年02月16日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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Windows標準のメールソフトは機能が貧弱
ビジネスユースには別のメーラーを選びたい

 ビジネスで複数の取引先と仕事をしていると、1日に大量のメールをやりとりすることになる。ライターのように多数の編集部やカメラマン、デザイナー、そしてほかのライターとコンタクトしていると、返信が必要なメールだけでも100通/日どころではない。だからと言って、原稿の添付を忘れたり、仕事の依頼を見逃したら一大事だ。

Outlook Express

いまだに利用者数が多い「Outlook Express」だが、迷惑メール除去機能さえない

 そこでメールの管理が重要になるのだが、Windows標準のメールソフトではいささか機能不足。Windows XPまでの「Outlook Express」やWindows Vistaの「Windowsメール」はもちろん、Windows 7で推奨されている「Windows Liveメール」も同様だ。今回は、膨大なメールをやり取りする筆者が採用している管理方法を紹介しよう。

 Office 2007に含まれる「Outlook 2007」は、さまざまなアプリケーションやネットサービスと連携でき、メール機能もそこそこ使える。筆者もグループウェアと連動させるために、スケジューラーとして利用しているが、メインで使うメールソフトは異なる。

 10年前は、ウェブブラウザーほどフリーのメールソフトが充実していなかったため、乗り換え先を選ぶのも悩みの種だった。そんな時に、ジャストシステムの「Shuriken」を見つけ、それ以来愛用している。機能面の特徴は後述するが、コスト以上のメリットを得られているためだ。

Shuriken 2010のページ

ジャストシステムのメールソフト「Shuriken 2010」。ダウンロード版の通常版は3675円、バージョンアップ版は2100円


迷惑メールはソフトに任せて見逃しをチェック

 同じメールアドレスを使い続けていれば、本来必要なメールに数倍する迷惑メールが届くようになる。しかし、ビジネスで使っているメールアドレスは、ケータイアドレスのように気軽に変えるわけにはいかない。そこで、迷惑メール除去機能を利用することになる。

 最近の迷惑メール除去機能は99%以上の検知率となっており、活用しない手はない。またプロバイダーやウェブメールサービスによっては、迷惑メールをメールサーバー上で検出し、削除してくれる。メールソフトで受信するタイミングですでに迷惑メールが激減しているというわけだ。ただしこの場合、「迷惑メールと判別された普通のメール」をチェックするために、ウェブサービス側にログインする必要がある。メールソフトで作業できないので、つい滞りがちになり、誤判定の際に対処が遅れてしまう。

定期的にログオンして見逃しをチェック

メールサーバー上で迷惑メールを除去するなら、定期的にログオンして見逃しをチェックする

 そこで筆者は、メールソフトでの迷惑メール除去機能を利用している。その場合、一定の条件で迷惑メールを除去するだけでなく、ユーザーが迷惑メールと指定した内容を学習する機能が必須だ。Shurikenなら、誤判定されたメールをドラッグ&ドロップで別のフォルダーに移動させるだけで学習してくれるので手間が省ける。また、迷惑メール内のハイパーリンクを非表示にできるので、誤操作でフィッシングサイトを開いてしまうような事故も防げる。

 ここで重要なのが、迷惑メールフォルダーを定期的にチェックすること。100通くらいの迷惑メールなら、見出しと差出人をざっとスクロールするだけで、重要メールが混じっていないか見つけられるはず。作業時間は1分もかからない。問題がないようなら、迷惑メールフォルダーをクリアすればいい。

 だが、これが1週間分もたまると、チェックが面倒で後回しにしてしまい、重要メールを見逃してしまう可能性が高くなる。イレギュラーが発生しても、その都度学習させれば、そのうち快適に利用できるようになるだろう。

迷惑メールフォルダーは毎日チェック

迷惑メールフォルダーは毎日チェックし、できるだけ空っぽにしておくこと

 また筆者は、基本的に広告メールを受信しないようにしている。しかし、ネットショップやウェブサービスに申込んだ時に登録されてしまうことも多い。そんな時、知名度のある国内の企業から届いているなら、サービス側でメール登録を解除しておいた方がいい。登録を10個解除すると、迷惑メールの量は意外と減るもの。ただし、怪しげな内容の迷惑メールは登録の解除はできないうえ、本文内のURLにアクセスした段階で、有望なアドレスとしてさらにたくさんの迷惑メールが届くようになるので要注意。


メールは即レス 処理後にフォルダー分け

メールのフォルダー分けは手動で

メールのフォルダー分けは手動で!

 受信メールは取引先ごとにフォルダー分けしている。それ以外は「ショッピング」や「メーリングリスト」、「プライベート」といった分類だ。その中にさらにフォルダーを作っているカテゴリーもある。

 以前は、主な連絡相手から届いたメールは、振り分け機能で自動分類していた。しかし多数のフォルダーに新着があると、どうしても見逃しが出てくる。筆者は開いた瞬間に既読になるように設定しているので、対処せずに次のメールを読むと、返事や処理を忘れてしまうことがあった。そこで、一定時間閲覧しないと既読にならない設定にしたが、今度はメールの処理速度が落ちてしまった。1通1通手作業で指定するのも面倒だ。そこで振り分けをやめて、すべて受信トレイに入れるようにした。

 メールに返信したり、内容をスケジューラーなどに反映させたら、該当するフォルダーに分類する。除去機能をすり抜けた迷惑メールは、迷惑メールとして登録。作業を後回しにしたメールはそのまま残しておくのだ。メールは10分ごとに自動受信し、基本的に即レスするようにした。今では普通にできるようになったが、常に即レスなので驚いてくれる人が多い。どうせ作業時間が同じなら、早いタイミングでの返信で信頼を得ておいたほうが得だ。

ToDoバンク機能

ShurikenはToDoを締め切りを設定して管理できる「ToDoバンク」機能も搭載している

 また、「受信トレイ」に残っているメールは“未処理”ということなので、ToDoリストのような感じで使える。1日の終りに残っていたら要反省。10通溜まったら黄色信号と思うようにしている。

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