さすがハイエンド!の圧倒的な実力
さて、最後にベンチマークテストを見ていこう。比較対象として用意したのは、ノートで最高峰にあたるCore i7を搭載した15インチMacBook Pro(MC373J/A)と、同じデスクトップ型のMac mini(MC270J/A)。ノートのハイエンド、およびCore 2 Duoを搭載した低価格デスクトップとどれくらい性能が違うのかが分かるだろう。
いずれも現行ラインアップのMacで、メモリーやHDDは標準のまま。OSはMac OS X 10.6.4に統一した。テストは、まずMacの総合性能を測る「Xbench」、グラフィック関連の性能が分かる「CINEBENCH 11.5」という2本のベンチマークテストを実行。
QuickTime Xを使い、45秒の動画を「HD 720P」の設定で別名保存した時間も測った。HD 720Pでは、ビデオをH.264形式で圧縮する。動画のエンコードは高いCPU性能を要求されるが、中でもH.264は時間がかかることで知られる。加えて、Boot CampでWindows 7をインストールし、総合ベンチマークソフト「PCMark Vantege」でもテストしている。
比較した機種のスペック
機種名 | 27インチiMac | 15インチMacBook Pro | Mac mini |
---|---|---|---|
Apple Store価格 | 19万8800円 | 20万8800円 | 6万8800円 |
CPU | Core i5-760 2.8GHz (4コア) | Core i7-M620 2.66GHz(2コア) | Core 2 Duo P8600 2.4GHz(2コア) |
メモリー | 4GB | 4GB | 2GB |
HDD | シーゲイト「ST3100528AS」(3.5インチ/1TB/7200回転) | 東芝「MK5055GSXF」(2.5インチ/500GB/5400回転) | 東芝「MK3255GSXF」(2.5インチ/320GB/5400回転) |
グラフィック | ATI Radeon HD 5750(1GB) | Intel HD Graphics/NVIDIA GeForce GT 330M(512MB) | NVIDIA GeForce 320M(256MB) |
結果を見ると一目瞭然。圧倒的じゃないか!。
どのテストでも27インチiMacがトップとなっている。CPUのコア(処理回路)数が違うこと、HDDが3.5インチで7200回転ということ、独立したグラフィックに1GBのビデオメモリーを備えていることなどが好成績の理由だろう。
動画のエンコード、プロ向け画像編集ソフトを使ったバッジ処理、膨大なトラックを並べた音楽編集といった用途では、かなり快適な作業環境を提供してくれるはずだ。
趣味の用途でも、ビデオ編集を始めたい、デジカメの画像を管理したいという人は満足できるレベルだろう。iMacを含むすべてのMacには、「iLife」というマルチメディアスイートがバンドルされている(関連記事)。いずれもかなり優秀なソフトなので、まだMacを触ったことのない人はぜひ店頭で試してみてほしい。
一方、作るより、ウェブを見たり、Twitterやmixi、メールでコミュニケーションするのが主体という人なら、すでにどのMacでも十分だろう。ベンチマークでは明らかに劣っているMac miniでも、メモリーさえ4GB以上に増設してあげれば快適に使える(現にこの原稿はMac miniで書いている)。見るのが主でiMacが欲しいなら、個人的には21.5インチの最下位モデルをお勧めしたい。
というわけで画面もデカいし、スピードも最高峰。伝統のiMacに恥じない仕上がりとなっている。仕事用のデスクトップ型Macを探しているけどMac Proはちょっと……という人や、Power PC G5やCore 2 DuoのiMacを持っていて、パワー不足を感じている人ならドンピシャでお勧めできる機種といえる。ぜひ、最高の機種で最高のMac体験を始めてみてはいかがだろう。