ケーブル1本のみ 脅威の簡単セッティング
ケーブル以外に、設置がシンプルというのも大きなメリットだ。iMacの液晶部分には、パソコン本体もスピーカーもマイクも、おまけにウェブカメラ(iSight)まで内蔵されている。キーボードとマウスもBluetoothの無線接続なので、実質的にパッケージに含まれるケーブルは電源のみ。
買ってきてやることは、この電源ケーブルをつなぎ、キーボードとマウスに電池を入れて、本体裏にある電源ボタンを押すだけ。キーボードとマウスは、ドライバーなどのインストールは必要なく、電源を入れると自動でペアリングして使えるようになる。ちなみにBoot CampでWindowsをインストールする場合も、自動設定してくれるのでご安心を。
実際、ディスプレーと本体が分かれたデスクトップ機から乗り換えると、ケーブルがないこともあってデスク周りがかなりすっきりする。iMacを支える土台の部分にはキーボードを置いておけるので、例えば、タブレットや鍵盤で作業するときや、紙に何かを書くときには、キーボードを素早くしまって広い作業領域を確保できる。この辺のスペックに出てこないデザインは、使ってみると便利なことが実感できるだろう。
といっても、机の上をなかなか片付けられない人は、iMacにリプレースしても汚いままなんですけどね(筆者とか)。
デスクトップとノート型Macを併用する人にとっては、外部ディスプレー入力が使える点も注目だ。iMacは全モデルでMini DisplayPortのディスプレー出力が用意されているが、27インチモデルのみこの端子が入力にも対応している。
別途、両端がMini DisplayPortの「Belkin Mini DisplayPort to Mini DisplayPort 1.5M Cable」(2980円)を購入し、iMacを起動した状態でケーブルをつなげば、MacBookの画面が映し出される。今までMacBook用に別のディスプレーを置いていたという人は、さらに机の上をすっきりできるわけだ。
デザインのために我慢も必要?
反対にこのシンプルデザインがもたらすデメリットもないわけではない。
まず、USBやFireWireの端子が背面にあるので、ケーブルをつなぎにくい。これはもう見た目とのトレードオフで仕方のない話なのだが、USBメモリーやポータブルHDDをつなぐときには、iMacを少し回転させたり、手探りで端子を見つけなければいけないのはやはり面倒だ。
筆者がiMacを使っていたときは、頻繁に抜き差しする機器のために延長ケーブルが付いたUSBハブを差していた。すんなりiMacの後ろに回れるような広い部屋(社長室みたいなイメージです)ならまだしも、限られたスペースにパソコンを設置するならこうした工夫が必要だろう。しかし、ケーブルが1本「ちょろっ」と飛び出ているだけで、美観が損なわれた気分になるのが複雑だ。
加えて、HDDがユーザーの手で交換しにくいというのも、気になるところだろう。iMacは、メモリーなら本体下部にあるカバーをドライバーで外せば簡単に変えられる(アップルの解説ページ)。
しかしHDDは液晶ディスプレーの裏手に据え付けられており、普通の手段ではアクセスできない。まずパネルを外すだけでも大変で、そのパネルにホコリが付着しないように戻すのにも神経を使う(ひとつ前のデザインだがこんな感じ)。もちろんアップルの保証対象外で、交換時に何かを壊してしまったら有償修理だ。
HDDが壊れたらトライしてみるのもアリだろうが、「交換は困難」ということだけは覚えておこう。その分、日頃のバックアップが大切だ。